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あなたを手放す勇気があったなら。
好きな人には花の名前を教えなさい。
花は毎年咲くから。
誰かの言葉を思い出す。
ねぇ、お願いよ。
私達だけの秘密にしておいて。あの日、あなたが私を抱いたことも、あなたとこっそり歩いた夜道も。
もう会うのは最後よ、と あなたの首筋に口付けを落としたのは、もう二度と交わらないための呪い。
好きだから離れたくなかったんじゃない。
寄りかかっていたから離れられなかった。
どうか、どうか、あなたが幸せになんて なりませんように。
あの日ふたりで見た月見草の花は、今年もさいている。