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「ダ、ダ、ダーク! ダーク! は、は、早く起きてくれよ! じゅ、じゅ、重大なニュースがあるんだ!」

 その翌日、陽が昇ってまもない、朝焼けのもっとも美しい時刻に、ムサシくんは隣の犬小屋のダークを大声で呼び覚まそうとしました。しかし、よだれをたらしながらぐっすり眠っている夢見心地のダークは、なかなか起きようとはしません。  そこでムサシくんは、きのうの夜に何度もそうしたように、また、 「うわおーん、あおおーん」  と、長い遠吠えを繰り返しました。

「うっせえなあ。今何時だと思ってるんだ!? こっちはてめえの遠吠えのおかげで、きのうはろくろく眠れもしなかったってのに……」

「ご、ご、ごめん! で、で、でも、ぼ、ぼ、ぼくにとっては、一世一代の重大事件なんだ。ダ、ダ、ダーク。よ、よ、よおおーく聞いてくれ! ぼ、ぼ、ぼくは、マ、マ、マリリンちゃんに、プ、プ、プロ、プロプロポーズをすることにするよ!」

 ダークは目やにのたまった、見るからに眠たそうな両の瞳を細めると、軽く肩をすくめて、もう一度自分の犬小屋の中へと帰っていこうとしました──まるで、なんだそんなことか、とでも言うかのように。

「ま、ま、待ってくれよ、ダーク! ぼ、ぼ、ぼくはいたって真剣そのものなんだ! だ、だ、だから、経験豊富な君に、い、い、色々といいアドバイスを受けることができたらって、そう思って……」

 ムサシくんのこの経験豊富という言葉は、ダークの両方の耳を、ぴくり、と突きたてさせました──どうやらムサシくんは、彼の自尊心をくすぐることに成功したみたいですね。

「しょうがねえなあ。で、一体なにを聞きたいんだい?」

 そこでムサシくんとダークは、一匹、また一匹と散歩の犬たちが遊びにやってくる前に、綿密な話しあいをすることにしました。  はてさて、ムサシくんのマリリンちゃんへのプロポーズは、うまくゆくのでしょうか。

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