「俺」が「僕」の恋路に茶々入れてようとしている
ジャンルがよく分かりませんでした。とりあえず学園にしました。
短編
僕は賽銭箱に小銭が数枚投げ込んで、手を合わせる。
「お願いします神様、僕を大きくしてください。」
僕は自分の通っている中学校の近くにある神社に行き、そうお願いした。
ただただ大きくなりたかった、好きな人に男として見てもらう為には、まず大きくならなければならないという思いでいっぱいだった。
しばらく神社の前で立っていると神社が全体が光を放ちだし、やがて目を開けていられないほどに神社は輝き僕の記憶は、ここで途切れている。
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その神社は、強い気持ちを込めて願い事をすると一度だけ叶うといわれている。普通なら胡散臭いと思うけど、昔からこの辺りに住む僕は心の奥底では信じてる。
その理由は多くの人がなにかしらの願いを叶えてもらったと言っているからだ。本当に困った時ここに来れば助けてくれる、皆頼りにしているけど、一生に一度だけのお願いを小学生時に使ってしまった人が、沢山いる。成人するまでお願いしなかった人は、大人に聞いても稀なことらしい。
この話は、学校の七不思議の様なものなのか、僕はこの話を聞いたのは小学生二年生の時、中学生の兄弟のいる友達からだった、両親にこの話をすると他県出身の母は知らない様子だったが、この土地で育っふた父は知っていた。
「昔、わしも願いを叶えてもらったことがある、ここらじゃ有名な話じゃ」父は笑みを浮かべながら言った。
よく冗談を言う父なので僕はこの時点でこの話をいつもの冗談で嘘なんだと見切りを着けた。
その後、父が最後に「願いは一度だけしか叶えてもらえんけえ大切にお願いしろよ、卓也はなにを願うんや」とにやけながら言ってきた。
信じていなかった僕はわかった大切にお願いする、それは秘密と適当に答えながら内心で今後神社で願うつもりなんてないと思っていた、結局中学生になってお願いすることになったんだけど。
次の日から学校ではお願い事が僕達のクラスを中心に流行った。願いが叶ったと言うやつもいたが、叶わなかったと言うやつもいた、だいたい半分づつくらいだったと思う。
しかし僕は願いの叶ったことは偶然だと言いきることはできなかった。言いきるには叶った数が多く、叶った願いの内容の中には枯れそうな校庭の垂れ大柳の木を元気にしてほしいというものもあり、そして実際に元気になり、急に元気になったことは僕も気づいていた。
今思えば僕はあの時から願いが叶う神社をと信じ始めていたのかもしれない。
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卓也の初恋の人は隣の家に住んでいるの優子である。
優子は卓也と同じ歳でいたずらっ子であり優子の妹の彰子と幼い頃内気だった卓也をいろんなところに連れ回し昔からいろんな場所で遊んでいた。
幼少時小柄で人見知りだった卓也は小さい頃から体が大きく、明るい性格だった優子に幼い頃憧れていた。
夏休みが始まった日の夜、優子から電話がかかってきた。
「卓也わたしね、好きな人ができた‼」
その言葉聞いて、春子は毎日ソフトボールに打ち込んでいて、色気より食い気だったので男に興味を持つことがないと勝手に安心していた僕は驚愕し、そして焦った。
「すっ、好きなひとかあ、それってどんな人なの?」
「えっとね、わたしより背が高くて、力持ちで無口なんだけどそこがかわいいだよね」
誰だ一体優ちゃん(百七十七cm)よりでかいと可愛いを両立してる男って、同じ中学じゃないのか。
「わたしがソフトの練習に向かっている途中、急に飛び出してきた車にぶつかりそうりなった所を庇って助けてくれたの」
「その人は上手く受け身をとったので大丈夫ですって言って無事だったのよすごいでしょ。」
車に跳ねられて受け身をとれるやつってそうそういないだろ。勝てない、勝てっこないよこんなの、背が高くて、可愛いくて、その上、体をはって女の子を救うなんて男の僕でも惚れてしまいそうだよ。
「あっ、お母さんが呼んでいる、ごめんまた今度話聞かせて」
「急に電話してごめんね、じゃあまたね」
終わった、僕の初恋。体が重い、僕は告白もせずに明日から優ちゃんから好きな人の話を聞かなければならないのか。
悶々と苦悩してる時、携帯電話が鳴った。章子からだ。珍しい二人が連続して電話してくるなんて、章子も好きな人ができたのかな、まあどうでもいいか。
「もしもし、どうしたのアキちゃん。申し訳ないけど僕今落ち込んでて、人と話しをするような気分じゃないんだ」
「やっぱり優ゃんに好きな人ができて落ち込んでいるの?」
そうか気づいていたのか僕の気持ちに、だから僕の傷に塩塗る為にに電話してきたのか。
「僕の失恋した心の傷に塩をまず塗る為に電話してきたの?」
「はぁ、…慰める為に電話してきたとは思えなかったの?、とゆうよりもあたしはあんたを心配してやったのに、あんたはあたしのことどう思っているのよ。」
章子は、小さい頃から僕を後ろから急に驚かせたり、俺が優子の事を好きだと気づくとからっかって、陰で笑っているイメージが強く、心配してるという考えは全くなかった。
「いやまあ、そういえばなんで電話してきたの?」
「…さっき優ちゃんが電話しているのみてたからどうせ今頃うじうじしているだろうと思ってさ、もうあきらめたの?」
あきらめる?、僕は全然あきらめられてない。そうだ、今日出会っただけならまだ僕にもチャンスがあるはず。だったらこの思いが燃え尽きるまで突っ走ってやる、絶対やってやんぞ‼
「あきらめられないよ!、告白だってまだしてないしね。燃えてきたー」
「まあ元気になったんならなんでもいいんだけどね、ここまで元気になられると逆にむかつくわね。それと姉さんが好きになった人なんだけどね三年のゴリラ先輩よ、じゃおやすみ」
「…」
章子は最後に衝撃の事実を告げ、すぐに電話きった。
ゴリラ先輩、本名は白百合薫。名前に似合わない鍛えれた肉体美と中学生にして185cm以上の身長を持つ猛者だ。
皆は目立つ先輩をその体形と濃い顔からゴリラ先輩と呼んでいるけど、優子のタイプの大きい男を目指している僕からすれば憧れの人である。
勝てない、僕の脳裏に不安が過った。しかし既に覚悟を決めていた僕は迷うことはない、何だってやる。
今まで神社に頼るのは、負けだと思っていたけどもうそんなの気にしない。神頼みだってしてやるさ。それで思いが成就するなら安いものだ。
僕一目散に家を飛び出し神社に向かった。
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目が覚めると僕はベットの上で寝ていた。
僕は体を起こし辺りを見回す。見慣れたアパートの一室だ。
ここの前の住人が残したヤニ付きの壁紙。ああ、やっぱりリフォームすれば良かったのな。
「あれ、俺は今神社にいたような気がしたんだけど……、夢?」
俺は立ち上がると、ベットの側のちゃぶ台の上に白色の封筒が置かれていることに気づく。
それに手を取って表を見ると結婚式の招待状だった。
「……そうだ、これは優ちゃんからの……、うっ、頭が!」
優ちゃんからの結婚式状に気付いた時俺の頭に強烈な痛みが走った。
『卓也わたしね、好きな人ができた‼』
『…さっき優ちゃんが電話しているのみてたからどうせ今頃うじうじしているだろうと思ってさ、もうあきらめたの?』
『諦めるもなにも俺は別に好きじゃないよ、俺は優ちゃんが幸せになるならそれでいいさ。それは彰子ちゃんも同じだろ?」
違うよ、僕はこの時……。
『……そうだね、そっか、卓也が元気なら良いや。じゃあね、また明日。あと夜に急に電話してごめんね』
『ああ、じゃあな、あー俺も誰か彼女を作ろうかな』
違うんだ!、僕が好きなのは優子だ! 僕は諦めてなんかいない!
僕はあの時後神社に行って……。
『お願いします神様、僕を大きくしてください』
「嘘でしょ、体が大きくなったんじゃない、僕の意識が大きくなった未来の自分の中に入ったのか」
駄目だろこれは、こんなん詐欺だよ。大きくしてほしいって願ったら中学生からおっさんになっていたなんて。これならいっそ叶わない方が良かった。
「しかもよりによってここは僕が諦めた未来、僕が失恋したならまだ納得出来るけどここじゃあ俺はもう駄目なんだよ。
俺はこれから衰えていく体と未熟な頭を抱えて生きていかないと行けないのか、俺まだ中一だぞ、高校の勉強すらわかんねーよ……」
その時俺の頭の奥から多くの情報が溢れだしていた。
「ぐおっ!、これはさっきより」
再びの頭痛は先程より強く俺の頭の中から痛みが走った、今までに味わった事の内容な痛みだ。
そうして僕はその場に倒れ込む様にして意識を失った。
『……そうか、お前は……と違って諦めようとはしなかったのか……。 だったら……よりも勇気のある内気なお前にプレゼントだ。
明日もう……度願神社に行け、そして……の分の…………を……え』
誰だ、君は。どうして姿が見えなくて声だけしか聞こえないけど僕は君を知っているような気がする。
『頑張れよ』
「待って! 夢? 夢か……。あれなんで僕はこんな所で、そうだ、ここは夢じゃない!」
僕は今も記憶に残る不思議な夢を見た後、目を覚ました僕はもう一度ここが現実であることを実感ショックを受けていた。
「願神社か、あそこは僕が昨日意識を失った場所行って見るか」
僕は畳まれていない俺が昨日着ていた服に着替えすぐにアパートを飛び出した。
二十年後の町並みは知っている場所が僕が知るよりも古くなってあるので、余計未来だと実感させられ今の僕には気持ちが悪かった。
そんな中でも僕は未来の僕の記憶を使えるようで迷うことなく神社に辿り着くことが出来た。
そして俺は初めてお願いをした。
「お願いします神様、僕を小さくしてください!!」
そして俺を眩い光が俺を包み込み、僕はここでもう一度意識を失った。
『おい、起きろ。』
「う、うーん、ここは、ぼ、僕は戻って来たんだ!」
そこは夜は腕時計を見ると僕が初めてお願いした日で時間も五分しか経って無い。
「やったー、僕はもう一度タイムスリップ出来たんだ!」
『だから、おいって聞こえねえのか?』
「うおっ、なんで俺がここに?」
意識すると僕の心の中から大人になった俺の声が聞こえた。
『あー、たぶんお前と一緒に飛ばされたんだな、意識が。はあ、でも俺もお前も願いを使っちまったからもう戻れねえ。
これからよろしくな、相棒。俺の未来の知識でバリバリサポートしてやっから楽しみにしてろよ』
「嘘でしょー!?」
こうして僕たちの同居? 生活は始まった。結局僕は振り出しに戻るどころか余計なものまで持ってきてしまい、僕の恋路はこれから一体どうなるのだろう。僕自身もどうなるのだろう? 不安しかないよー。