十数年前の手紙をくれたあなたへ
あの日の私へ
梅が咲き、白木蓮が満開となり、今は、桜の咲く花盛り頃となりました。あれから、もう十数年・・・・
いかがお過ごしと書きたいところですが、この文の宛先は、手紙をくれたあの日の私ですからね。
あの日の私、色々ありましたねぇ・・・・でも、今のわたしになるまでも、たくさんの谷を越え、数えきれないくらいの山を登りました。
それでも、まだ目の前には、まだまだたくさんの山と谷が見えてます。
ふふっ、あの日の私、きっと困った顔してる。「今まででも、必死で懸命に進んでいたのに、まだこれからも色々とあるの?!」、なんて、思っているんでしょう?
しかも、願ってた道は全然進んでないし・・・・
残念がる必要はないんですよ。今のわたし、これでも結構、楽しくて、幸せを感じられる日々なんで。
好きな人、嫌いな人、すれ違う人、大切な人、導いてくれる人、別れた人に、たくさん出会って
どきどきする楽しい事、涙が溢れる悲しいこと、
締め付けられて苦しい事、天にも舞いそうなくらい嬉しいこと
狂いそうなくらいの怒りを感じたこと、
その繰り返しの度に、自分の世界が変わった瞬間の言葉にできない感情を感じながら
今のわたしは、「わたし」を感じて生きてます。
大人のわたしへ手紙を書いてくれたあなたが、ここに来るまで、何度も何度も、繰り返して、進んできてきたから、今、それができてます。
わたしを感じて生きること、それは、とってもとっても幸せと感じる時なんです。
いろんなことを書きたいけれど、あなたに一番伝えたいのは、この言葉。
「ありがとう」
ありがとう、こけても、ここまで、歩いてきてくれて
ありがとう、何度も泣きながらも、ここへたどり着いてくれて
ありがとう、騒がしさで、見失いかけても、わたしをまた見つけてくれて。
あの日の私、あなたがいたから、わたしは、います。
あの日の私、どうか、体に気を付けて、私を生きてください。
十数年後の私より