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蒼月白兎こばなし集  作者: 蒼月白兎
物語
4/7

十数年前の手紙をくれたあなたへ

あの日の私へ


梅が咲き、白木蓮が満開となり、今は、桜の咲く花盛り頃となりました。あれから、もう十数年・・・・


いかがお過ごしと書きたいところですが、この文の宛先は、手紙をくれたあの日の私ですからね。


あの日の私、色々ありましたねぇ・・・・でも、今のわたしになるまでも、たくさんの谷を越え、数えきれないくらいの山を登りました。


それでも、まだ目の前には、まだまだたくさんの山と谷が見えてます。


ふふっ、あの日の私、きっと困った顔してる。「今まででも、必死で懸命に進んでいたのに、まだこれからも色々とあるの?!」、なんて、思っているんでしょう?


しかも、願ってた道は全然進んでないし・・・・


残念がる必要はないんですよ。今のわたし、これでも結構、楽しくて、幸せを感じられる日々なんで。


好きな人、嫌いな人、すれ違う人、大切な人、導いてくれる人、別れた人に、たくさん出会って


どきどきする楽しい事、涙が溢れる悲しいこと、


締め付けられて苦しい事、天にも舞いそうなくらい嬉しいこと


狂いそうなくらいの怒りを感じたこと、


その繰り返しの度に、自分の世界が変わった瞬間の言葉にできない感情を感じながら


今のわたしは、「わたし」を感じて生きてます。



大人のわたしへ手紙を書いてくれたあなたが、ここに来るまで、何度も何度も、繰り返して、進んできてきたから、今、それができてます。



わたしを感じて生きること、それは、とってもとっても幸せと感じる時なんです。



いろんなことを書きたいけれど、あなたに一番伝えたいのは、この言葉。


「ありがとう」



ありがとう、こけても、ここまで、歩いてきてくれて


ありがとう、何度も泣きながらも、ここへたどり着いてくれて


ありがとう、騒がしさで、見失いかけても、わたしをまた見つけてくれて。



あの日の私、あなたがいたから、わたしは、います。



あの日の私、どうか、体に気を付けて、私を生きてください。





十数年後の私より

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