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パパと戦乙女のお告げ

ここはどこだ?


ふと眼をさましてみると見知らぬ白い部屋でただ一人寝そべっていた。服装は寝巻のままだ。混乱しながらも体を起こし辺りを見渡してみる。確認できたのは天井ははるか高く明るいただ白いだけの部屋ということ。


これは…、まさかお告げか?


アルフェイドは半信半疑ながらもそう判断した。


「まさかこんなにも早くお告げが来るとは思わなかったな。これで確認するまでもなく息子は加護持ちということか。」


そうひとりごちてしまう。でもそれは仕方のないことでもある。息子の加護を確認するため教会に人の派遣を依頼してはいるがまだ来ていない。しかし娘たちの時に教会から様々な話を聞いている。まず加護持ちだった場合神々からお告げがあることが多いということ。またお告げの際には一人見知らぬ場所で目覚めそこで神々より様々な神託を受けるということ。


「ただ、寝ているときはやめてもらいたいものだ。呼ばれた以上はこの服装でも問題ないだろうがなんというか恰好が悪い気もする。」


寝巻という時点でいくら頑張っても身だしなみを整えることはかなわないが、現状でできる限り整え膝をつき祈るように手を合わせ目を伏せる。


「落ち着いたようですね。顔をあげてください。ビクトンの父上よ。」


静かだが力強い声が聞こえた。アルフェイドはその声に従い顔を上げる。


「――――――――――っ」


息をのんでしまうほど美しい人物がそこにいた。髪は白に近い銀色、瞳の色は透き通るような青、そして背中には12の銀翼。美しい、その言葉の化身といわれたら即座に納得できるほどのものだった。動揺を抑え今回の主旨を確認するべく声を出す。


「今回はどういった御用向きでしょうか。」


「近いうちにそちらへ降臨いたします。伺うのは女神と私の2柱。理由は加護を与えたビクトンの世話をするためです。半日ほどあなたの息子の世話を任せていただきたいのです。」


言葉が出ない。アルフェイドは唖然茫然といった状態で完全に頭が真っ白になっていた。そもそも神々が地上に降りることはめったにない。その中で今回2柱がわざわざ息子の世話のために降りてくるというのだから驚かずにはいられない。それでも返事をしなければならないし確認しなければならない。


「受け賜わりました。しかしながらなぜビクトンの世話なのでしょうか。」


そう、なぜビクトンの世話なのか?ということだ。神々が降りてくる以上は相応の理由のはずだ。ビクトンの世話がそこまでの理由になるとは到底思えない。


「そうですね。女神も私も酷く個人的な理由から。といったところです。」


驚きすぎて一周回って冷静になるアルフェイド。


「個人的な理由ですか…。」


少し苦笑いをしながら説明する戦乙女。


「ええ、本当に個人的な理由です。女神と私でビクトンの世話をしどちらが良いのかという勝負のためです。私も見守っていて興味が出てきてしまった、というのもあるのですが。でも悪いようにはいたしません。女神にとっても私にとっても初めて加護を与えたものですから。」


驚きの2周目。もう訳が分からない。初めての加護に、息子の世話のため降臨、女神との勝負の話、まったく理解の範疇を超えている。ただ時期を確認せねばなるまい。


「いつ頃ご降臨あらせられるのでしょうか。」


動揺しながら確認する。


「地上の時間にて7日後に伺います。」


7日後か。とりあえずできる限りの準備をしなくてはなるまい。


「受け賜わりました。それでは7日後に。」


「宜しくお願いします。そうそうビクトンの母上には女神が説明しています。目が覚めたらお互い話をするとよいでしょう。」


そこでアルフェイドの視界は白く歪んでいく。“ああ、やっと解放される”そう人心地をつき冷静さを取り戻していく。そして歪み白く塗りつぶされる視界の中でふと昔話を思い出す。はるか昔に孤独に病み暴れた女神と銀翼の神を討つものの物語。解放されるのではなくこれからが始まりなのだと実感させるには十二分であった。


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