幕間 乙女たちの苦労譚
ここはとある神界にある下っ端共12人の休憩所である。そこでは美しい白い2対の羽をもった乙女が髪を振り乱しながらハッキリとした怒気とちょっぴりの殺意を込めた声で兜を地面へと叩きつけながら叫んでいる乙女A。
「あぁーもう!きりがないわ!戦乙女様はどこで何をしているの!」
今にも暴れ出しそうなのをなだめながら周りに確認をしていくリーダー乙女。
「あなたは少し落ちつきなさい!まったくもう、誰か戦乙女様から聞いているかしら?」
「あっ、あの関係ないかもしれないけど最近、恋人に贈るはじめてのプレゼントなる本を読んでいたようですので恋人のところでは?」
おずおず回答する乙女B。
「いや、普通にありえないでしょ!いつものあの女神様のところじゃないかしら?また何かやらかしているのでは?」
男っ気の無さと女神様の駄目さを確信している乙女C。
「いや、でもこの間、プレゼントを贈るんだ。って鼻歌交じりに武器のメンテナンスしてたし、羽もなんだか減ってたし、あれはきっとストレスだと思うんです。食事やプロポーションがどうのって悩んでいましたから。」
恐ろしいことが天変地異が起きているのでは?と怖がる乙女B。
「考えにくくないかしら?あの戦乙女様が見た目を気にして食事に気を使うとかイメージわかないわ。」
どうしても信じられない乙女C。
「もし、本当に男とうつつを抜かしていたら私は戦乙女様を刺してしまうわ!このくそ忙しい時に男とかないわよ。それともあの方は仕事放棄すれば乙女になれるとか思ってるんじゃないの?」
我慢の限界とばかりにヒスる乙女A。叩きつけた兜を蹴り上げるのはご愛敬。
「それは言い過ぎ!戦乙女様にだって男ができてもいいじゃない?最初で最後かもしれないし大戦って言えば大戦でしょ?」
「もし男だったら私たちに教えてくれてもよくない?言ってくれればいくらでも協力するのに。」
「あー、でも私ら男っ気無いから協力できなくない?」
「まぁ、確かにね」
わいわいがやがやと収拾がつかなくなってきている。姦しいとまではいかないがやはり男っ気の無い部隊のためか各々興味が尽きないようだ。
空気を霧散させるかの如く、二度ほど手を叩き指示を出していくリーダー乙女。
「はい!静かに!取り合えず女神様のところへ確認に行ってくるわ。3名ほどついてきて。他は業務の消化をお願い。ただし無理はしちゃ駄目よ。では行動開始!」
号令とともに動き出す乙女たち。
ABCを引き連れ女神様の所へ向かうリーダー。
乙女たちの苦労は続く。




