幕間 女神と戦乙女
『あんなんでいいなんて変ってる子だったなー。よーし、私の初めての加護だし頑張っちゃう!』
猛然と書類に何かを記載し仕事に取り掛かる女神。時に歌いながら、時に唸りながら仕事を進めていく。
しばらくすると空間がゆがみそこから12の翼をもった銀髪の女性が現れる。
「珍しいでね。あなたが真面目に仕事をこなすなんて。一体どういう風の吹きまわしですか、女神よ。」
書類から目を離し現れた女性に対して“心外だわ”といった顔でさも当然にそして真面目に回答する女神。
『あら、失礼しちゃうわ。いつも真面目に仕事はしてるわよ。戦乙女さん。』
まず、素行を明かすとこの女神仕事をしない。仕事ができないのではなく仕事をしない。雑な仕事は当たりまえ。適当こそが座右の銘。なんとかなるさ、ならないときは戦乙女が頑張るから大丈夫。そんな感じ。
神のくせにと思う方もいるだろう。まず神といえど全知全能ではない。単純に高位の神は限りなくそれに近いというだけである。位が高くなればなるほど特出しているものが増えていく。そして全知全能へ近づいていくのだ。
そして、もっとも重要なのはこの女神“美と死を司るもの”だけではないということ。つまり、残念ではた迷惑な高位神ということだ。
だからこそ嬉々として答え一生懸命真面目に仕事をこなす女神に不安を覚え釘を刺す戦乙女。
「何をたくらんでいるのでしょうか?余り子供たちに迷惑をかけないようにお願いします。」
それでも、止まらないダメな女神。
『今回は問題ないわ。お互い合意のうえでのことよ。』
楽しそうにいつくしむように仕事をこなす女神。この後のことを考え胃が痛くなる戦乙女。
かくして始まるダメな女神と苦労性の戦乙女、孤独が嫌いな男の妙な関係の幕開けとなる。