めんどくさい女
めんどくさい!あれから進捗確認の連絡がものすごく来る。どうやら一晩中女神と戦乙女は言い争っているみたい。どちらの予想があっているのか確認するために進捗の問い合わせが五分おきに来る。もう本当にうざい。自分たちで見ればいいのにわざわざ聞いてくるし、一度指摘してみたけどプライバシーの侵害がどうたらと確認しないんだよねー。
『ビクトン、進捗はどんな感じかしら?』
ほら、また来たよ…。
“女神様、五分ではそんなに変わりませんよ…。”
『そんなことはないわ!地球でのカップラーメンなんて三分で完成するのよ!食事が三分で出来上がるのだからそれなりに進捗があって然るべきなのよ!』
“カップラーメンと一緒にしないでいただきたい…。とりあえず、壁に新たな書き込みをしていますよ。”
「ビクトン、新たに飾られた剣はあるのでしょうか?」
“特にはございません。”
『ふふ、これで私の勝ちは揺るがないわね。新たな壁画は進み、剣類は特に増えていない。やはりこれは私を、この美の女神を歓迎するための準備!!』
「それはないでしょう。数があればいいというわけではありません。当然ながら質も重要です。ビクトン、依然聞いた通り装飾過多の剣類はないのでしょうか?」
“はい。戦乙女様。そのほとんどが装飾が施されておりません。どちらかと言えばシンプルで無駄の少ないものばかりです。”
「というわけです、女神。」
『どういうわけかわからないのだけれど。説明してもらえるかしら戦乙女。』
「簡単です。並べられている剣は実用的なものばかりということです。美の女神への歓迎となればやはり式典用の装飾が施されているものになるはずです。しかし、今並べられているのはどれも実用的なものばかり。つまり実践仕様のものばかりということです。そこから導き出されるのはやはり戦乙女である私のために準備されているということでしょう。」
また始まった…。問い合わせのたびに討論するのやめてもらいたい。正直どっちでもいいと思う。どうでもいいよ。
『それこそないわ。実用的なものにある美しさを知らないの?洗練された機能美というものもあるのよ?どう転んでも私の勝利は揺るがないと何度言えばいいのかしら?この無駄巨乳。』
あっ、やばい。そういう悪口はまずい。泥沼化するよ。
「ふふ、無い女の僻みですか?かわいそうですね、運動もろくにしていない体は酷くだらしないでしょうし、その上胸もないとなると。かわいそうですね。」
女神の全身を一瞥しはっきりと憐みの言葉を投げかける戦乙女。
あっ、やばい。これはやばい。完全に戦争開始じゃん!避難しなければ。巻き込まれるとめんどくさいぞ。
“おっと、そろそろお昼寝の時間なので私は暫く眠りにつきたいと思います。”
『待ちなさい!ビクトン!』
「そうです。ビクトン、はっきりと女神に言って構いません。このだらしない体しやがってと。」
やめて!本当にやめて!そんなこと言ったら死んじゃう!眠らなくては、早く眠らなくては!久しぶりにギャン泣きしてママにでも子守唄を歌ってもらおう!一生懸命なところ申し訳ないがママ助けて!
勝負の日まで後3日。ビクトンの災難は続く。




