二話「 謎の部活との遭遇 」
俺は扉を開けた。開けてしまった。
今思うと何で開けてしまったのか悔やむところだ。
部屋に入った俺が目にした光景は、先ほど聞いた先住民の声が録音されると思わしきCDプレイヤーを部屋の真ん中に置き、それを囲むかのように五人の生徒がお面をつけて円を描くように回っている。
その光景をみた時、一瞬背中に寒気が走った。
俺の本能が叫んでいる。こいつらには関わるな、今すぐこの場から逃げ去りたいと。
相手側もまだこちらに気がついていないようだし今からでも間に合う。ゆっくり部屋から出ようとした時、かかとが扉にぶつかり鈍い音をだした。
まずいと思った頃には時すでに遅し、俺が自分の足から正面に視線を戻すとお面をつけた五人がこちらをジッと見つめていた。
その時俺はどんな顔をしていたのだろうか、正直知りたくもない。
とりえず相手は同じ人間であることだけに集中して乾いた喉から声を振り絞った。
「あの、こんなところで何をしてるんでしょうか?」
質問系でたずねると向こうにいる五人がアイコンタクトをとりあうようにお互い頷き、その中の一人の生徒がこちらに近づいてきた。お面をつけているが服装は女生徒の制服だったので性別はすぐに判断がつく。この生徒以外にも男子生徒二名、女生徒二名、合計五名だ。
俺が人数と性別の詮索をしているうちに、こちらに近づいていた女生徒は俺の目の前まで来ていた。
身長は若干低い、160センチもいかないかな。そんで俺を少し見上げるようにお面少女はこう言った。
「私数学とか苦手なのよね、セバスチャン派なんだけどあんたは何座?」
「………………………え?」