表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/15

第6話:無人魔導コンビニエンスストアの誕生と、甘すぎるパトロンの視察

「起動せよ、我が忠実なる土塊の巨兵たち(アース・ゴーレム)! 目標は巨大廃商業施設モールの外壁清掃、および基礎部分の再構築! 崩れかけたレンガを修復し、私の引いた図面通りに魔力配線の溝を掘りなさい!」


 シーサイド・ガルドの街外れにそびえ立つ、巨大な廃モール。

 その広大な敷地に、私の高らかな号令が響き渡った。


 ズズズンッ……!


 大地が震え、広場の土が盛り上がる。

 私の注ぎ込んだ莫大な魔力によって生み出されたのは、身長五メートルを超える屈強なアース・ゴーレムたちだ。その数、実に五十体。

 彼らは一糸乱れぬ動きでモールの外壁に取り付くと、背中に生えた特殊な『高圧水流ウォーター・カッターユニット』から水を噴射し、数十年分の潮風の汚れとツタを瞬く間に洗い落としていく。

 同時に、別のゴーレム部隊がハンマーとコテを持ち、ヒビ割れたレンガを完璧な精度で修復し始めた。


「す、すげえ……! あの廃墟が、みるみるうちに新品みたいに綺麗になっていくぞ!」

「魔法使いって、あんな建築工事みたいな真似もできるのか……!?」


 遠巻きに見物していたシーサイド・ガルドの住民たちが、信じられないものを見る目で歓声を上げている。

 無理もない。通常、これほどの規模の修繕工事を行えば、数百人の職人と数ヶ月の期間が必要になる。それを、私はたった数時間で、しかも人件費ゼロで終わらせようとしているのだから。


「アリス! 外壁の清掃が終わったら、次は屋根よ! 『多重螺旋式・マナ吸着陣(太陽光マナ変換陣)』の敷き詰め作業を急がせて!」

 安全ヘルメット(特注のシルク製)を被ったルミアが、図面を片手に拡声器で指示を飛ばす。


「わかってるわルミア社長! 屋根の上の作業は、風の精霊シルフたちに任せてあるから!」


 モールの広大な屋根の上では、目に見えない風の精霊たちが、私が用意した魔法陣の刻印プレートを次々とパズルンのように組み立てていた。

 太陽光、海から吹き付ける潮風、そして波の音。この自然界のエネルギーすべてを吸収し、莫大なマナへと変換する超巨大な魔力発電所。これが完成すれば、このモールの光熱費は永遠にゼロになる。


「素晴らしいわ、アリス。これで第一段階の『箱の修繕』と『インフラ構築』はクリアよ。次はいよいよ、内部の構築ね」

 ルミアは満足げに頷き、私をモールの内部――広大な一階の吹き抜けフロアへと促した。


 かつては高級店が立ち並び、そして誰の心にも刺さらずに潰れていった一階フロア。

 しかし今は、壁という壁がゴーレムによって打ち抜かれ、見渡す限りの広大なオープンスペースとなっていた。


「ここが、私たちの切り札の一つ。帝国初の『完全無人・魔導コンビニエンスストア』の予定地よ」

 ルミアが自慢げに両手を広げる。


「アリス、貴女に発注していた『自動決済システム』の進捗はどう?」

「ふふん、舐めないで。完璧に組み上がってるわよ。こっちに来て」


 私はルミアを、フロアの入り口付近に設置したゲート状の魔導具へと案内した。

 透明なクリスタルで縁取られた、スタイリッシュなゲートだ。


「いい、ルミア。この無人店舗の仕組みはこうよ。まず、お客様はこのゲートを通る前に、専用の『魔導ブレスレット』を受け取るの」

 私は机の上に並べた、銀色のシンプルな腕輪を手に取った。


「このブレスレットには、あらかじめお客様のお金を『魔力情報』としてチャージしておくことができる。いわゆる前払い式の電子マネーね。そして、ブレスレットをつけたお客様がゲートをくぐると――」


 私がゲートをくぐった瞬間、ピピッ、と軽快な音が鳴り、ゲートの横に設置された水晶板に私の名前と残高が空中に浮かび上がった。


『ようこそ、アリス・フォン・ローゼンバーグ様。現在のチャージ残高:十万ゴールドです』


「おぉ……! お客様の魔力波長を個別に認識して、ゲートが自動で身元と残高を照会するのね!」

「それだけじゃないわよ」


 私はルミアを連れて、商品棚の試作品が並ぶエリアへと進んだ。

 棚には、ポーション、軽食、飲料、日用品などがズラリと並んでいる。


「ここからが本番よ。ルミア、適当に商品を手に取ってみて」

「ええと……じゃあ、この『特級回復ポーション(五百ゴールド)』と『シーサイド・ガルド名物・海鮮サンドイッチ(三百ゴールド)』を」


 ルミアが商品を棚から手に取った、その瞬間だった。

 私の腕にはめたブレスレットが微かに光り、入り口の水晶板の表示がカシャカシャと音を立てて切り替わった。


『お買い物リスト:特級回復ポーション(1)、海鮮サンドイッチ(1) 合計:八百ゴールド』


「なっ……!? なんで私が商品を手に取っただけで、合計金額が計算されているの!?」

 ルミアが目を丸くして驚愕する。完璧な冷徹CEOをここまで驚かせることができて、私は思わずドヤ顔になった。


「これが私の真骨頂、『空間把握センサー』と『重量連動式・認識魔法』のハイブリッドよ! 棚の陳列スペースには、一ミリ単位で重さと形状を感知する微弱な魔法陣が敷き詰められているの。お客様が商品を手に取った瞬間、『何が棚から離れたか』をセンサーが認識し、ブレスレットの持ち主と紐付けるのよ!」

「じゃあ、一度手に取った商品を、やっぱりやめたって棚に戻したら?」


「もちろん、自動でキャンセルされるわ。ルミア、戻してみて」

 ルミアがポーションを棚に戻すと、水晶板のリストから即座にポーションの文字が消え、合計金額が三百ゴールドに修正された。


「す、凄まじい精度……! つまり、カゴにポイポイと商品を入れるだけで、レジ打ちの計算が完全に自動で終わっているということ!?」

「そういうこと! そしてお買い物が終わったら、そのまま出口のゲートをくぐるだけ。くぐった瞬間にブレスレットの残高から合計金額が『自動で引き落とされる』わ。万引きをしようとしても、ゲートを通った瞬間に空間魔法が作動して、未払いの商品は自動的に元の棚へ転送されるから、盗難被害は物理的にゼロよ!」


「…………」

 ルミアは、手の中のサンドイッチとゲートを交互に見つめ、ワナワナと肩を震わせた。


「アリス……貴女、自分がどれだけ恐ろしいものを作ったか分かってる?」

「えっ? いや、深夜のポーション販売機だけじゃ品揃えが悪いから、もっと大きな規模の無人店舗があったら便利だなって……」


「便利どころの騒ぎじゃないわよ!!」

 ルミアが私の両肩をガシッと掴み、前後に激しく揺さぶった。


「レジ打ちの店員が不要! 盗難リスクがゼロ! つまり、二十四時間三百六十五日、人件費を一切かけずに、この広大なフロアの売上を全て利益に変えることができるのよ!! 帝国の商人ギルドが何百年も抱えてきた『人手不足』と『不正・盗難』という二大リスクを、貴女の技術はたった数日で完全に駆逐したの!!」


「あわわわ……揺らさないでルミア、目が回るぅ……」

「この無人店舗システム、まずはこのモールの目玉として稼働させる! そして、データが取れたら帝国全土の主要都市にフランチャイズ展開するわ! あはははは!! また不労所得の柱が一つ増えたわ!!」


 高笑いするルミアの目は、完全にゴールドマーク($)になっていた。

 彼女の経営手腕と私の技術が合わされば、本当に世界経済を牛耳るのも時間の問題かもしれない。


「――相変わらず、君たちの考えるビジネスはえげつないな。良い意味で、だが」


 ふいに、静かで絶対的な威圧感を持つ声がフロアに響いた。

 入り口のゲートに寄りかかるようにして立っていたのは、漆黒の軍服に身を包んだ『影の皇帝』――ユリウス・フォン・ヴァルハイト大公だった。


「ユリウス様! わざわざ帝都から視察に!?」

「大公閣下! お待ちしておりましたわ!」


 私とルミアが慌てて頭を下げる。

 ユリウスは静かに歩み寄ると、私の腕にあるブレスレットと、商品棚の構造を、アメジストの瞳で瞬時にスキャンした。


「今、外から君たちのやり取りを見ていた。空間把握と自動決済のハイブリッド……まさに常識外れだ。これなら、深夜でも人件費をかけずに安全に店舗を回せる。……アリス、また一つ、帝国の歴史を塗り替えたな」

「へへっ、ユリウス様から無限の予算をもらったおかげですよ! 最高級の感知水晶を惜しげもなく使えたから、この精度が出せたんです!」


 私が胸を張って答えると、ユリウスはふっと優しく微笑み、私の頭を大きな手でポンポンと撫でた。


「君のその狂った頭脳に投資した私の判断は、やはり間違っていなかった。だが、アリス。君は少し働きすぎだ」

「えっ?」


「目元にうっすらとクマができている。ルミアから報告を受けているぞ、ここ三日間、モールの魔力配線図を引くために一睡もしていないそうだな」

 ユリウスの瞳が、ふいに心配そうな、そして少しだけ咎めるような色を帯びた。


「うっ……それは、早くこのシステムを完成させたくて……」

「情熱は買うが、君が倒れては私にとって最大の損失だ。私の最も価値ある『財産』が傷つくのは許さない」


 彼はそう言って、私の頬にそっと手を添えた。

 ひんやりとした革手袋越しに伝わる、彼自身の体温。その甘くも独占欲に満ちた言葉に、私の心臓がドクンと大きく跳ねた。


「ユ、ユリウス様……っ」

 顔がカッと熱くなる。パトロンとしての発言だと分かってはいるが、彼のその圧倒的な美貌と距離の近さに、私の理性が完全にショートしそうになる。


「……こほん。お熱いところ申し訳ありませんが、ユリウス様。無人店舗の次は、地下の『エンタメ施設』の視察をお願いできますか?」

 ルミアが、わざとらしく咳払いをしながら割って入った。私は慌ててユリウスから距離を取る。


「ああ、そうだな。君たちが買い叩いた『ガラクタ』を、どうやって利益に変えるのか。手並みを拝見させてもらおう」


 ◆◆◆


 私たちはユリウス大公を案内し、モールの地下フロアへと降りていった。


 かつては薄暗い駐車場や倉庫として使われていた広大な地下空間。

 しかし今は、私の手によって完璧な『ファンタジー・ダンジョン』へと生まれ変わっていた。


「ここが、私たちの第二の矢! 『宝探しダンジョン・トレジャーハント』よ!」

 ルミアが入り口の重厚な鉄扉を指差した。


「帝都の没落貴族や破産した商人から、二束三文で買い取った型落ちの魔導具、デザインの古いドレス、ガラクタ同然の骨董品。それらをただ棚に並べるのではなく、この地下ダンジョンの至る所に『宝箱』として配置したの」


 私はルミアの言葉を引き継ぎ、システムの解説を始める。


「お客様は入場料を払い、このダンジョンを探検します。内部には私が作った『幻影のモンスター』や『魔力アスレチック』、『隠し扉のギミック』が仕掛けられています。それらをクリアし、最奥の宝箱にたどり着けば、中に入っている商品ガラクタを格安、あるいはタダで持ち帰ることができるという寸法です!」

「なるほど」


 ユリウスは鋭い視線でダンジョンの入り口を見つめた。

「ただの不良在庫の処分市を、『冒険体験』というエンターテインメントに昇華させることで、顧客の射幸心と達成感を煽るわけか。これなら、本来ゴミ同然だった商品に『自らの力で勝ち取った戦利品』という付加価値がつく。えげつないが、見事な心理戦だ」


「お褒めにあずかり光栄ですわ。実際、テストプレイをさせた元・飛竜騎士団の連中は、夢中になってガラクタの剣を掘り当てていましたから」

 ルミアが悪魔のような笑みを浮かべる。


「ユリウス様も、少し中を見てみますか? 私の自信作の幻影ギミックがあるんですよ!」

 私が誘うと、ユリウスはこくりと頷いた。


 三人でダンジョンの内部へと足を踏み入れる。

 薄暗い通路には、青白い魔導ランプが怪しく輝き、遠くから『幻影のドラゴン』の低い唸り声(立体音響魔法)が響いてくる。壁には古代文字のような暗号が浮かび上がり、まさに本物の遺跡探検の気分だ。


「この通路の先には、振り子のように動く巨大な刃の幻影が――」


 私が解説をしようとした、その時だった。


 ガコンッ!!

 頭上から、嫌な金属音が鳴り響いた。


「!?」

 見上げると、天井の配管を固定していた古い金具が耐えきれず弾け飛び、巨大な鉄の塊が、私に向かって真っ逆さまに落下してくるのが見えた。


「アリス!!」

 ルミアの悲鳴。

 私の脳が危険を察知し、防御魔法を展開しようとしたが、徹夜明けの疲労で魔力の練りがコンマ数秒遅れた。


 ――あ、潰れる。


 そう覚悟して目を閉じた瞬間。

 ドンッ!! という強い衝撃と共に、私は強引に腕を引かれ、誰かの広い胸の中にすっぽりと包み込まれていた。


 ガガガガァァァンッ!!!

 巨大な鉄の塊が、私の数センチ横の床に激突し、凄まじい轟音と土煙を上げた。


「……っ、大丈夫か、アリス!」


 頭上から降ってきたのは、焦りを帯びたユリウスの低い声だった。

 目を開けると、私はユリウスの腕の中に抱きしめられていた。彼が瞬時に私を引き寄せ、自身の背中で落下物から庇ってくれたのだ。

 彼の周囲には、チリ一つ通さない完璧な漆黒の防護結界が展開されていた。


「ユ、ユリウス様……! 申し訳ありません、私としたことが、古い配管の金属疲労を見落としていて……!」

 彼に怪我はないか。私は慌てて彼の顔を見上げた。


「私が無事かなど、どうでもいい。……君が怪我をしていないか聞いているんだ」

 ユリウスの瞳は、これまでに見たことがないほど険しく、そして熱を帯びていた。

 私を抱きしめる彼の腕の力が、かすかに震えているのがわかった。


「……はい、無事です。ユリウス様が助けてくれたおかげで、かすり傷一つありません」


「……そうか。よかった」

 彼は深く息を吐き出し、ようやく私から腕を離した。しかし、その手はまだ私の肩をしっかりと掴んだままだ。


「アリス。君は自分の価値を理解していない。もし君に万が一のことがあれば、私はこのモールごと、帝国中の建築ギルドを消し炭にするところだった」

「えっ……!?」


 あまりにも物騒で、しかし狂おしいほどに甘い過保護な発言。

 冷徹な彼が、私のためにそこまで感情を露わにするなんて。


「……も、もぉ〜! アリス、本当に気をつけてよね! 私の心臓が止まるかと思ったわ!」

 ルミアが涙目で駆け寄ってくる。


「ごめんルミア……。すぐに天井の補強工事のゴーレムを手配するわ」

「当然よ! もう、ユリウス様がいらっしゃらなかったらどうなっていたことか……。ユリウス様、本当にありがとうございました」


「気にするな。私の最高の投資先を守るのは当然の義務だ」

 ユリウスはいつもの冷静な表情に戻り、漆黒の軍服の埃を軽く払った。


「だが、これでハッキリした。アリス、君には休息が必要だ。このモールのグランドオープンまでの三日間、君には現場作業を一切禁ずる。本社でしっかりと睡眠と栄養をとれ」

「ええっ!? まだ中央広場のイリュージョン・シアターの調整が――」


「私の命令が聞けないのか?」

 アメジストの瞳で見下ろされ、私はシュンと大人しく頷くしかなかった。


「……はい。おとなしく寝ます」

「よろしい。グランドオープンの日には、帝国の皇帝陛下と上位貴族たちを全てこのモールに招待してある。君たちが作り上げた『帝国一のエンターテインメント』を、最高峰の舞台でお披露目しよう」


 皇帝陛下まで呼ぶなんて!

 ユリウス大公の政治力と宣伝力のえげつなさに、私とルミアは顔を見合わせてゴクリと息を飲んだ。


 こうして、様々なハプニングと甘い(?)トラブルを乗り越えながら、巨大廃商業施設のリニューアルは最終段階へと突入していくのだった。


 ◆◆◆


 一方その頃。

 アリスたちに完全に置き去りにされた祖国、王国の王城では、地獄のような光景が繰り広げられていた。


「あっつい……! なんなのこの暑さは! 死ぬわ!」


 王城の大広間。

 かつてアリスが婚約破棄を言い渡されたその場所で、着飾った貴族たちが汗だくになりながら扇を仰いでいた。

 季節は夏。当然ながら、王城の空調を司る『巨大魔導冷却装置』はフル稼働していなければならない。


 しかし、その装置は三日前から完全に沈黙し、ピクリとも動かなくなっていたのだ。


「誰か! 早くこの魔導具を修理しろ! 王族が熱中症で倒れたらどう責任を取るつもりだ!」

 国王が真っ赤な顔で怒鳴り散らすが、集められた宮廷魔導師たちは皆、青ざめて首を横に振るばかりだった。


「も、申し訳ございません陛下! この空調装置の魔力回路は、あまりにも複雑怪奇な数式で組まれており、我々にはどこが故障しているのかすら解読不可能なのです!」

「なに!? 設計図はないのか!」


「設計図は……かつてアリス様が『私が独自に改良したから、前の設計図は燃やしました』と……。アリス様がいらっしゃった頃は、彼女が夜な夜なドライバー片手に空調を分解して、一人でメンテナンスを行ってくださっていたのですが……」


 魔導師の言葉に、大広間は静まり返った。

 そうだ。あの日、ギルバート王子がアリスを断罪した理由の一つ。「夜会で空調を分解し始めた」という奇行。

 あれは奇行などではない。彼女がいなければ、この王城の空調は一秒たりとも正常に動かなかったのだ。


「あ、アリスを……アリスを連れ戻せぇぇぇ!!」


 国王の悲痛な叫びは、蒸し風呂のような王城に空しく響き渡った。


 さらに地下の鉱山では、ギルバート元王子が灼熱の暑さの中でツルハシを振りながら、完全に干からびかけていた。

「み、水を……誰か、冷たい水を……。アリス……君がいつも作ってくれた、あの冷たいポーションが飲みたい……」


 失って初めて気づく、圧倒的な才能と優しさ。

 しかし、彼女はもう、二度と彼らの元へは戻らない。彼女は今、帝国で最高のパトロンの庇護のもと、自らの技術で世界を美しく作り変えようとしているのだから。


(第6話 終わり)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ