私にとっては知らない町でも、あなたにとっては大切な町「M県M町」(3)
「そういやさっきカレーパンを売ってるお店があったな」
朝ご飯を食べるために國津に戻ってきた私はつい三十分ほど前のことを思い出しながら来た道を戻っていく。そうして十分ほど歩いているとでかでかと牡蠣カレーパンの文字が見えてくる。さっき来たときはシャッターが下りていて食べれなかったのだが今は開いているようだ。
「すみません、カレーパン一つください」
「500円です」
観光地ということもあって少し割高だが致し方あるまい。スマホの決済アプリで会計を済ませてカレーパンを受け取る。サクサクに揚げたパンに思っていたよりもしっかりと牡蠣の味がするカレーがマッチしていてとても美味しい。五、六分で食べ終えた私はのんびりと次何するかについて考える。普通ならどうやって帰ろうかなどを考えるのだろうがあいにく今日の私はスマホと1,000円と少ししか持っていないのでここから帰るということはできない。でも電子マネーはまぁまぁ持っているのでどうせなら少し観光をすることにする。そう、ここはM県M町、日本四大絶景の一つであり島が美しいことで有名なのだ。
「よし、遊ぶか」
何を考えてもここから出る方法は見つけることはできないので楽しいことをしようと思う。はたから見れば狂っているのだろうが、それが私なのでまぁいいだろう。