表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/147

深詠子無言の帰宅4

 お母さんの話が出て電話を切ると、傍でじっと見詰める真苗が目に飛び込んできた。居たたまれずに可奈子に連絡すると直ぐに来てくれた。

「検視ってなーに」と真苗ちゃんに訊かれて、死んだ原因を調べて、それによって加害者の殺意の有無を追究する。といちいち分かりやすく子供に返答するのが面倒くさくなった。それでやって来た可奈子には、余計な事は喋らないように言った。

 可奈子は引き戸を開けて入ってくるなり、いったいあの女は何様なの、といきり立った。今はそれどころじゃないと落ち着かせた。

「でもそうじゃないの、二日前に会ったばかりなのに、親族を差し置いて啓ちゃんにヌケヌケと遺体の引き取りに来る様に仕向けるなんて」

「おいおい子供の前だ、さっきも言ったがもう少し穏やかに話せ」

「アラ、あなたのお母さんなのにごめんね」

 と真苗ちゃんに謝った。

 この子はどうすると訊かれ、磨美に連れて来るように言われた。

「そんなのダメ!」

「どうして」

「刺激が強すぎるわよッ、そんな事も分からないのッ」

 真苗は二人のやり取りに「お母さんがどうしたの? また会えるの?」

 と言い出すに至って、可奈子の意見に従った。此処はキチッとした状態で会わせる方がこの子の心の負担を和らげられる。結局そう思い直して可奈子の喫茶店に預けて、二人はタクシーで警察署に向かった。 








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ