表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/147

深詠子無言の帰宅3

 警察も連絡先は下村の実家しか判らず、また深詠子側の親族も詳しい事は掴めず、しかも下村の実家は被害者と加害者の双方に関わっているだけに、何処に電話して良いか迷った揚げ句に、被害者の嫁ぎ先の実家に電話した。

「そんな状態だから親族が来るまで、あたし達が今はするしかないのよ」

「肝心の深詠子の親族はどうしてるんだ。九州から来てるのか?」

「深詠子の実家の君嶋家も、彼女が嫁いだ婚家には随分とご無沙汰していて、とにかく両親は高齢で深詠子のお兄さんが遠方から来るけど、この人も四十代でそれ相応の仕事もあるし、それに嫁ぎ先を差し置いて出しゃばれないし、第一に深詠子はその婚家の亭主に殺されたのよ。だから大変なのは判るでしょう。こんな状況だからこそ、深詠子もあなたを頼った。だから今、頼れるのは真苗ちゃんを預けた藤波さん、あなたしかいないのよ」

 深詠子は離縁していない以上は、下村家の人なんだと磨美は強調した。こうなると深詠子が、何故なぜ、真苗を産んだのか理解出来ない。下村はそれを知っていたのかその点も気になる。

「取り敢えず直ぐ来てくれる」

「分かった、が、真苗はどうする」

「もちろん連れて来て」

「それはどうだろう」

「真苗ちゃんはお母さんの事が心配でしょう」

「それ以上に別な心配があるが……」

 藤波は真苗ちゃんを眺めて思案していると、磨美から何度もお願いと念を押されて電話が切れた。



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ