表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/147

磨美の話2

「ベットと箪笥以外はなんにもない部屋ね。ベットは折りたたみだから隅に片付けて遊びやすいように広くしたわよ」

「ああ、手間をかけたなあ、それでこっちは近所に住んでて、小さいときから知ってる立花可奈子、さんだ」

「立花可奈子です」

「あらそう、遅れましたけれど三沢磨美です」

「うっ、あっ、そうか結婚したんだなあ。三沢みさわは慣れないからまあ磨美さんでいいだろう」

 と二人をカウンター席に案内して、藤波はカウンター内で取り敢えずビールを勧めると磨美は遠慮なく頂いた。

「何から話せば良いかしら」

「先ずは真苗ちゃんの事かしら」

 なんでこの人が言うのと磨美は見直した。

「あの子は俺より可奈ちゃんに懐いてしまったようなんだ」

「立花さんに」

「だってそうだろう。あの会社でも俺はあんまり喋らなくて、上司と深詠子が取りなしてくれて少しは良くなったが」

「そうね、その話は深詠子から聞かされた。でも此処なら常連さんばかりで一見いちげんさんも少ないから跡を継ぐって言ってたわね」

 と磨美に言われた。

「それであの子も、お店手伝うって言ったもんねー」

 と可奈子にも言われた。

「真苗ちゃんが、そうなの」

「オイオイ、小学生を使うほど俺は困ってないよ。それより逃走している亭主だって行く所がなければ直ぐに捕まる。そうすれば此処にも警察がやって来れば、どう言って追い払うか事情が解らなければ、そいつらに対処できない」 「そうね、深詠子はあんたと別れてからあたしとはもっと親密になった。あたしが結婚したせいもあるけれど、それで余計に親近感が湧いたと思う」

「親近感、それって同類相憐れむってやつか」

「啓ちゃん例えが悪いわよ」

 これには無視して磨美は続けた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ