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第70話 魔族戦闘

「来たか」


 ゴーレムが反応した。

 それだけでなく、声のようなものも聞こえた。

 キィーキィーと甲高い音を鳴らす。耳障りで不快で不気味な声だ。

 僕は、立ち上がる。


「ゴーレム、殲滅だ」


 ゴーレムに命令を出すと、3体のゴーレムは動き出して、魔族に攻撃を仕掛ける。

 魔族なら、人や龍のような殺す時の抵抗感は少ない。

 深呼吸をして集中する。


 ……無力化は無理だよな


 多分、無理な相手。

 魔神の力と言っていたから、明確な意思があるかも分からない。

 だから、最初から殺す気で行く。

 相手も殺しにくるだろう。


 小屋の扉を開き、外に足を踏み出す。

 ゴーレムが暴れている。

 何やら黒っぽい赤紫色の小さな不気味な生物が、ゴーレムに襲いかかり殴り飛ばされている。

 何体も纏めて殴り飛ばされ、吹き飛ぶ。

 周囲を見ると、その小さな生物は大量に飛んでいるのが見える。

 森の中から、じゃんじゃん湧いてくる。

 この場に居る分だけでも数を数えるのが、億劫になりそうな数だ。


 ゴーレムが突っ込み、腕を振るい薙ぎ払う。

 一騎当千の働きをしている。


 ……ゴーレムが圧倒してる、こいつらは弱い部類の魔族なのかな


 ゴーレムでも圧倒できているところを見るに、強い相手では無いと分かる。

 このタイプは数が多い分、弱いのだろう。

 数が多くて強いは、厄介が過ぎている。

 どこにいる奴から倒そうかと考えていると、小屋の壁に張り付いていた魔族が突っ込んでくる。


 速度も早くないようで、素早く剣を抜いて真っ二つに切り裂く。

 切られた魔族は消滅する。

 手元に、炎を作り出す。

 これほどに数が多いのなら、剣や体術でどうにかするのは面倒。

 妨害系の魔法も、効果は薄い。

 だから、炎で纏めて一気に殲滅する。

 ゴーレムの攻撃で、倒れている者も見えるから耐久力も無さそう。


 火力は抑えて、炎を大きくする。

 そして燃え上がる炎を細かく分割して、ゴーレムに当たらないように放つ。

 炎が当たった魔族は、身体中か炎に包まれて焼き消えていく。

 予想通り火力抑えめでも足りた。


 小さい生物で、オマケに今は暗い。

 だから、真っ直ぐ飛んだ炎の一部は魔族に当たらないで通り過ぎる。


 ……今だな。曲がれ!


 当たらなかった炎を、遠隔で操作する。

 炎の鍛錬を積み重ねて、ようやく実戦でも何とか使えるレベルになった技。

 炎を操り方向を変えて、魔族に叩きつける。

 この調子で何回も繰り返す。

 森の中からわらわらと湧いてくるが、ゴーレムと炎の攻撃で殲滅していく。


 能力は、魔法と違い魔力を消費しない。

 どれだけ、数が来ても無尽蔵に放てる。

 ゴーレムは無生物、疲れ知らずで目に入った魔族を殴り飛ばしていく。

 順調に数を減らしていく。


 ……この調子なら楽


 しばらく戦い続けていると、森の中が騒がしくなったことに気づく。

 よく見たら、森の方から湧いて出ていた魔族の数も減っている。


 ……なんだ?


「ゴーレム、守れ」


 何が起きているのか、分からない。

 ゴーレムを自分の周囲に集めて、守らせて考える。

 騒がしくなってから魔族の数が減ったのなら、森の中で起きてることによって、こちらに来れない状況だと考えられる。


 ……戦いか?


 魔族達が何かと戦っているのなら、その理由になる。

 だとして、誰が戦っているのか。

 もし僕の敵になる相手だったら、まずいので迂闊には近寄らない。


 ……もしかして神狼族かな? いや、ならなんで合流しないんだ?


 オオカミ達かと一瞬、思ったけど、よく考えたら近くに居て、僕と共闘をせずに戦う理由が分からない。

 なら、別の誰かの可能性が高い。


 考えていると、魔族が吹き飛ばされてきた。

 力なく地面に転がり、消滅する。

 森の中から、何かが現れる。


「炎が止んでるな。手遅れか……?」


 森の中から、槍を持った男が現れた。

 槍を振るい、魔族を容易く切り裂く。

 僕は、その男に見覚えがない。


 ……人間? あの格好は騎士か?


 ちゃんとした鎧を身に付けているから、あの男は騎士なのだと予想する。

 男は、周囲を確認したあと、僕の方見る。


「見っけた。なんだ無事か」


 そう言って魔族を槍で切り裂きながら、僕の方へ近付いてくる。

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