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白龍は祈り紡ぐ、異界最強を〜安寧望み描いて覇道を往く〜  作者: 代永 並木
侵食

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第61話 来た理由

「はぁ」


 ため息をつく。

 僕は別に、それを肯定してはいない。

 龍の姿になったとはいえ、元人間の僕をなんだと思っているのやら。


「襲ってない、食べてない……そもそも人を食べたいと思わない」

「確かに、ただ被害が出てるって聞いてるんだよな」

「どんな被害? 心当たりがあるかもしれない」


 ……伝言ゲーム失敗してる気がするな


 何人かを経由して届いた情報なら、どこかで情報の伝達が失敗している可能性がある。

 間接的な伝達は、これが怖い。


「この山にある集落の近くで、攻撃の跡が残っている気絶した人間が何人も発見された。そして目が覚めた彼らは、あれは化け物だと言ったり怯え切って話が出来なかったり」


 ……ふむ、思った以上にあちらのダメージは大きいのか。肉体ではなく精神的か


 大体一撃ノックアウト、目覚めても酷い後遺症は残らないと踏んでいた。

 ただ聞いている限り、その逆でだいぶ酷い有様のようだ。それは少し罪悪感がある。

 肉体的な後遺症ではなく、精神的な後遺症、厄介極まれりだ。


「あぁ、なるほど、やり過ぎたかな」


 心当たりがある。

 倒した後に、集落の近くに運んでいるから間違いなく僕の仕業だ。


「心当たりは?」

「それはある。君みたいに僕を殺そうとしてくる人らを倒して集落の近くに転がしておいてたんだよ。死者は出てない?」

「集落付近で見つかった人達に関しては、死者は出てない。メンバーが欠けてるって話は聞いてない」

「それは良かった」


 確認が取れてよかった。

 死んでいたら、夢見が悪くなる。


「あぁ、そうだ。せっかくだ、立ち話もなんだから小屋の中に来い」

「小屋……あっ」


 大和は、抉れた小屋を見てハッとする。

 その痕跡の原因が、自分の攻撃だと気づいたようだ。

 抉れている部分だけの修復なら、そう時間はかからないから良い。


「僕の力ですぐに直せるから気にしなくていい」

「手伝えることあったら手伝う」

「問題ない、材料はゴーレムに運ばせる。そっちの2人も来るといい」


 チラッと2人を見る。

 2人は現在、何が起きているのか、理解出来ていないように見える。

 あの2人からしたら、突然戦いをやめて立ち話始めたのだから分からないのが自然。


「彼女は大丈夫だから」

「ゆ、勇者様がそういうのでしたら」

「ではお言葉に甘えて」


 ……ほう、信頼されているな


 2人も小屋に入る。


 ……おっ、椅子無事


 何とか聖剣の攻撃から逃れていた椅子を、適当に3人の前に並べる。

 大和が真ん中、その左右に2人の少女が座った。

 対面するように椅子を置いて座る。


「椅子はあるけど、出せるものは特にない」

「気にしないで」

「では気にしない。それで襲われた云々の話はどこから出たんだ?」

「うーん、多分被害者の様子を見て襲われたと勘違いしたのかな」

「あ、あのその話でしたら派遣された騎士の隊長がそう証言したと聞いています」


 少女が、恐る恐る手を挙げる。


「隊長?」

「はい、騎士団の分隊の1つが龍狩りに挑んだと覚えありませんか?」

「……あぁ、騎士か。居たな。隊長と言えば最初に蹴り飛ばした人かな」


 何時だったか忘れたけど、居た覚えがある。

 扉を壊された腹いせに先手で一撃をお見舞した相手。

 思い出してみたら、彼が隊長だった気がする。

 襲われた、確かにあの状況は襲われたと誤認してもおかしくないかもしれない。

 あれからしばらく、時間が経っているのは目覚めるのが遅かったからか、準備していたからか。


「その騎士とやらが来たのは何週間か前だったと思うのだけど」

「今日来たのはつい先日、実戦で戦えるレベルまで聖剣を扱えるようになったって認められたから」

「ようやく? 実戦経験は少ないのか?」

「強い魔物とはあまり経験無いかな」


 ……どんだけ人手不足なんだよ


 大和は、強い武器である聖剣を持ってる。

 だけど、実戦経験が少ない彼を少数パーティで、龍討伐に行かせるというのは変な話。

 相当、リスクが高い。

 それほどまでに人手不足が悩ましいのだろうか。

 どの世界でも人手不足とは、難儀な物だ。


「騎士の報告からも被害報告が続いていたので勇者様を龍討伐に向かわせたという流れです。私たちは勇者様のサポートで」

「続いた? そんな多くは迎え撃ってないけど」


 騎士が来たあとは、冒険者2パーティと紫髪の少女と昨日の魔法使い集団。

 昨日の魔法使い集団は話からして、被害に入っていないから被害は3つ。

 被害数としては、そんなに多くはないと思う。


「それは迎え撃った相手が悪かったかな。冒険者パーティはそこそこ名の知れた人達だったらしいからすぐに広まってた。俺の耳にも届いた」

「ほう、そうなのか」


 苦労していないので、実感がわかない。

 名の知れたということは、冒険者の中では上澄みなのだろう。


「後、元英雄のアリナ・ロードフェスを撃退したことが危険度をあげた1番の原因だと思う」

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