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第138話 2人の雑談

 翌朝、目を覚まして鍛錬をする。

 カミラが起きてくるまで時間があるからだ。

 ゴーレムとの鍛錬は、短時間で出来る。

 ゴーレムの攻撃を躱し一撃を喰らわせる。


「ゴーレム、多彩な攻撃を」


 ゴーレムは、蹴りを繰り出してくる。

 蹴りを受けて足を蹴り飛ばす。


 ……やっぱり痛いな


 そして、胴体に全力の一撃を叩き込む。

 別のゴーレムが掴みかかってくる。

 後ろに飛び退いて回避し、踏み込み蹴りを叩き込む。

 よろめいたゴーレムに拳を叩き込む。


「多彩な攻撃良いな。この方が練習になる」


 とりあえず、ゴーレムを倒し終える。

 多彩な攻撃になった分、厄介だけどそれが良い感じに鍛錬になる。


「お見事です。素晴らしい戦いでした」


 イオラが拍手をしながら、現れる。

 今日も先に起きていたから、小屋の中から見ていたのだろう。


「君もやる? 良い訓練になるよ」


 ゴーレムを修復する。


「遠慮します。ゴーレム5体纏めて相手にする鍛錬なんて一部の人間以外出来ませんよ」

「居るんだ」

「えぇ、例えば――元英雄なら可能かと」

「あぁ、アリナ……なんだっけ、強い敵を単独撃破したって言う」


 名前をあんまり覚えていない。

 外国圏の名字っぽい物は、馴染みが少ないせいか覚えづらい。

 ロードなんちゃら? だった気がする。

 この新しいゴーレムではなく石のゴーレムだが、彼女は容易く倒していた。

 確かに彼女なら倒せそう。


「アリナ・ロードフェスです。知ってましたか」

「知ってるも何も前に僕を殺しに来たからね。何とか返り討ちに出来た」


 毒を使ったし刀がなければ危なかった。

 本人曰く、鈍っていたらしいのも理由だろう。

 それに後半の全力の時、多分麻痺毒の効果は残っていたと思う。

 今ならあの時より強くなっているから、もう少し余裕持って勝てるかもしれない。


「まさか彼女を倒しているとは……」


 イオラは、驚きと困惑が入り交じったような表情をしている。


「強かったよ」

「英雄ですからね。よく勝てましたね」

「本人曰く鈍っていたらしい。それに結構ずるい手も使ったしね」


 毒なんて特に卑怯な手だ。


 ……他にも彼女の剣は市販品だったし……


 彼女の武器は市販品の剣だった。

 かつて英雄と言われた人間が、市販品の剣ってのはちょっと違和感がある。

 それも新品のように見えたから、彼女が本来使っていた武器は別にありそう。


「彼女の剣は回収されてたりするの?」

「回収?」

「僕のところに来た時は、彼女市販品の剣を使ってたみたいだから」

「あぁ、彼女の使っていた剣が国に返還されたという話を聞きましたね」

「なるほど」


 彼女が色々と問題を起こしていたと聞いている。

 なるほど、その時に没収されていたわけか。

 そのお陰で命拾いしたから助かった。


「その剣って凄いもの?」

「えぇ、国宝です。聖剣や聖槍に並ぶ物と言われています。その剣でゲリュドを倒したと」

「ゲリュド……倒した怪物の名前か。もしかして彼女って元々凄い人?」


 ゲリュドなる怪物を倒す前に、国宝を下賜されているのなら他にも様々な実績を積んでいるか。或いは、元々貴族などの良い家柄の人だろう。


「えぇ、ゲリュド前にも龍殺しや別の地で魔族殲滅など、複数の偉業を成しています」

「想像よりすごいな」


 そんな相手になぜ勝てたのか、分からない。

 2人で雑談をしていると小屋の扉が開く。

 カミラが現れて顔を洗っている。

 欠伸をして眠そうだ。


「おはよう」

「おはよう、食事食べたら薬草植える」

「分かった。今日は味変で果実焼いて食べるか」

「焼くのはおまかせを」


 イオラが料理番を買って出る。


「料理出来るの?」

「私は器用なので、大抵の事は出来ます」

「凄いな。それじゃ任せる」


 イオラが手馴れた動きで、果実を焼いて3人で食べる。

 焼き加減がちょうどよく、焼かれたことで香る良い風味が疲れた身体によく効く。

 食べ終えた後、カミラは準備を進める。

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