表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
136/139

第136話 暗殺者の組織

 初めて使う発動の式だったけれど、シクの指示の元上手く出来た。

 この魔法には距離や使用に色々と制限がある。

 ただ、代わりに収納数はかなりな物。

 僕を起点とすることで使用時の魔力を肩代わり出来るのも強み。


「これで取引は完了」

「もちろん、そこまでされたなら充分、そしてさらに取引を提案したい」

「は?」


 僕は素で声が出る。

 まさか、他にも取引を持ち掛けられるとは思ってもなかった。


 ……内容によっては断るか


 2つ目に関して、無理に取引を受け入れる理由は無い。

 脅しをするようなら表で戦闘続行だ。

 もしも、そうなったらカミラには小屋の中で待ってて貰おう。危ないから


「あぁ、心配しなくていい。依頼は破棄する」

「なら何の取引?」

「ここに住まわせてくれないか? 先に理由も伝えておく。私は暗殺者の組織に属してる。依頼も組織経由の物、それを破棄するとその責任は取らないと行けない」

「つまり?」

「自決だよ。私は死にたくないから逃げたい訳」


 ……それって


 何となく嫌な予感がした。

 逃げなければならないという事は、自決しない場合は暗殺者が仕向けられるのだろう。

 それを凌ぐのが難しい。

 それは、イオラ以外にも厄介な暗殺者が組織に居ると推測出来る。


「手品の仕事は?」

「引き続きやる予定、彼らは表では仕掛けてこないから、それに私はNo.2までなら凌げる」

「君のナンバーは?」

「No.4、こう見えても上位の実力者」


 ……3と2を凌げるって事は、相性的な話かな


 No.4のイオラが自分を上位の実力者だと話している事から、No.の数字が強さの基準となっていると分かる。

 イオラ自身よりも格上の番号を相手取れるなら、余程相性が良いのだろう。


「No.1は?」


 4や2が居るなら、居るはずの1が、先程の話には出てなかった。

 つまり、凌げる相手じゃないという事だ。


「無理、彼はそういう次元じゃない。そもそも多分人じゃないんだよね」

「人じゃない? 擬態してる別種ってこと?」

「いや、あの感じだと……いや、確定じゃない話をするのは違うか。彼が来た時に護衛が居てくれると助かるのと匿ってという話」

「人前では無理だぞ。あとカミラはどうする?」


 僕ならそれなりに戦える。

 だけど、彼女は非戦闘員だ。巻き込まれたら守り切れるか分からない。

 そもそも、そんな危険な目に合わせたくない。


「彼は人前では殺しをしないから大丈夫、あと対象以外も殺さない」

「仕事人ってこと?」

「そう、彼は私と同じで暗殺を仕事でやってるから」

「こちらのメリットは?」

「無料で手品が見れる」


 イオラは、カードを取り出し微笑む。


「却下、追い出す」


 僕は首根っこ掴んで外に放り投げようとする。

 彼女は、慌てふためき弁解をし始める。


「待った、冗談冗談! 器用だから手伝えることは多いと思う。それにここにいる間は変装する」

「変装?」

「こんな風に」


 イオラは、大きな布を取り出した。

 そして、自分の姿が見えないように布を大きく広げて前に出す。


 ……手品でよく見るヤツだ


 布が落ち切った時には、イオラは先程とは全く別の格好をしていた。

 メイド服を着ている。

 クラシカルと呼ばれる種類に似ている。

 頬にあったマークも隠しているのか見えず、受ける印象は別人そのもの。

 クール系の女性らしさがあって、薄紫の綺麗な髪色が目立つ。

 僕は感心する。手品師らしい凄い技術だ。


「どうでしょうか」

「髪色で暗殺者にバレない?」

「私の髪色は珍しくありませんから、下手に変えるよりも安全と言えます」

「分かった、匿う。代わりに暗殺者の特徴は知る限り全部教えて」

「もちろんです。ユマお嬢様」

「まぁ、そっちの方が自然ではあるか……?」


 メイドの印象としてはやはり仕える者、僕が主設定の方が自然な気もする。

 呼び方がなんか凄い気になるけど。


 僕はメイドとなったイオラから、暗殺者の組織に属する人々のことを聞いていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ