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第131話 橋の制作

 橋の制作。

 橋の半分の形を作る。弓なりではなくまっすぐの桟橋のような桁橋だ。

 僕には建築系の知識がないため、木材でそれっぽい物を作る。

 橋と言うよりは道を作るイメージで。

 頑丈になるように、床や軸になる部分に厚みを持たせておく。

 手すりもしっかり作っておく。

 それを2体のゴーレムに持たせた。

 相当重いのか、気合いで耐えている。


「落とすなよ〜」


 ……ゴーレムが橋を落とす前にさっさと反対側も済ませないと


 ゴーレムに軽く声を掛ける。

 水の中に落ちたら酷いことになる。

 それは避けたい。

 翼を生やし反対側まで安全飛行で行き、物体操作で同じ形の物を製造してゴーレムに持たせる。


「動け、よし、合わせろ!」


 ゴーレムに命令を出して、くっつけさせる。

 そして、僕が翼で飛んで細かい指示を飛ばす。

 ゴーレムは命令に忠実のため、完璧に指示通りに動いてくれる。

 ちょうどピッタリ合う位置に来たことを確認して、物体操作で2つを綺麗に結合させる。


「ゴーレム、下ろして」


 橋の地面との接触部分に移動して、物体操作で結合していく。

 形を少し複雑に変えて抜けづらくしつつ周りの土の密度を上げて固める。

 左右どちらも行い頑丈に仕上げた。


 ……良し、これで全体はOK、後は水対策か


 ここは滝があり水が飛ぶ。

 木材は濡れるとダメになりやすい上、水は足が滑りやすくなる。

 前者は橋の崩落の危機、後者は移動時の事故の危機、どちらも対策を練っておく必要がある。


 ……全体を水に強い物体で固めるのが一番か。内部に浸透しないような……


 キョロキョロと周囲を見るが、特にこれと言って良い物は見つからない。

 地龍から貰った鉱石類は、量が足りるか分からない。

 後、金属類の一部は水で腐食すると、何かで聞いた事がある。


「どうするか」

「前に考えていた渡る術か。あの2人か」


 シクがどこからともなく現れた。

 近くに2人が居ないからだろう。

 相変わらず、僕以外の前には現れない。


「そうだよ。水でダメになるのを避けたいんだよね」

「それなら固定の魔法を使えばよかろう。状態の固定ならば行けよう」

「あぁ、そうか」


 海水から水を回収する時に使った魔法

 確かに、あれは状態を固定する魔法だ。

 あの魔法なら、水による劣化が防げそうに感じる。


 ……ならあの魔法を使うかな


 作った時のことを思い出しながら、魔法を発動しようと詠唱を始める。


「万物よ、己の姿を固定せよ、閉じ込めよ……あっ、この魔法じゃダメだ」

「どうした?」


 詠唱中にこの魔法の欠点を思い出した。

 冷却の為の物で、冷たい状態の固定と熱を閉じこめる性質を持たせる。

 熱を閉じこめる効果は、物体に触れた際に生じる物を魔法を掛けた物体に吸収させること。

 つまり、木材に水が触れた際に生じる物か水そのものを吸収してしまう可能性がある。

 閉じ込めるため、劣化が進行する。


「新しく魔法構築しないと、効果は固定と弾く性質か」

「すぐに作れる」

「さっさと作ろ」


 その場で魔法の改良を始める。

 魔法の改良をしながら、他の問題点を考える。


 ……魔法は弾く性質、水を弾くのだから、滑りやすいままかな


「滑らないようにするには……あっ、弾くなら水を湖に落とせばいいのか」

「魔法でか?」

「いや、こっちは魔法じゃない」


 先に魔法の改良を済ませる。

 思いついたのは、その後に試したいことだ。

 それからしばらくして改良を終えて魔法を使い、効果を確かめる。


「水は水筒の水でいいか」


 水筒の水を軽く橋にこぼす。

 すると、水は小さな水の玉となって、橋の木材に染み込まない。

 しっかりと魔法による水を弾く性質が付与されているようだ。

 物体操作の力で水の玉がある近くに小さめのでこぼこを作る。

 そこに水の玉を入れて僅かにでこぼこの高さを調整していく。


 ……予想通りならこれでいけるはず


 水の玉は滑っていき、ちゃぽんと小さな音を立てて湖に落ちた。

 外側へ滑るように高さを調整したことで、水玉はでこぼこに入り落下するようになった。

 そのでこぼこを橋の床に細かく作っていく。


「よし完成した。思ったより早かったな」


 夕方になる前には橋が完成した。

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