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第105話 テントの組み立て

「日が暮れてきたなぁ。この平原ってテント立てても大丈夫なの?」


 シクに聞く

 今の現在地だと、すぐには平原以外の場所に向かうのが難しい。

 だから、早めに寝るならこの平原でテントを立てないとならない。


「問題ない。ここで野宿をする冒険者は多い」


 シクはそう言って視線を横に動かす。

 視線の先を見ると、離れたところで冒険者達が同じようにテントを立てて準備をしていた。


「テント立ててる」

「今日はここでテントを立てる」

「分かった。なら準備しないとね」


 ゴーレムに持たせていた荷物の中から、テントを取り出して地面に置く。


「夜って魔物は?」

「変わらず出てくる。魔物が寄ってくる事があるから見張りを基本立てている」

「あぁ、それなら確かに見張りは必要だね。交代交代でやってるのかな」

「それが基本」


 魔物が出る場所でも、冒険者が野宿をするのはこの平原は広いからだろう。

 日が暮れてから、城壁の方へ戻るのは相当な手間なのだろう。

 慣れている冒険者たちが問題なくやっているなら、魔物はそこまで気にしなくて良いのだろう。


 ……魔物か。うーん、夜はちゃんと寝たいからなぁ。どうしようか


 朝、昼で移動をするから夜にちゃんと休息を取って地龍の住処に向かう予定だ。

 地龍の王相手は出来るだけ万全な体勢で挑まないと話にならない。

 見張りをする場合、シクと交互にしてもあまり身体が休まらない。


 ……あっ、ゴーレムいるから問題ないか


 魔物は弱かった。その強さからしてゴーレムでも、余裕で対応出来る相手だろう。

 ならば寝る時に、ゴーレムに命令を出して見張りをさせれば良い。


「テント張り、ゴーレムとシクも手伝って」

「何をすれば良い」

「ええっと、その小さい道具を……あっ、ゴーレムはパイプを……」


 テントに付いていた説明書を開く。

 僕は、キャンプ初心者であり、テントの立て方なんて知らない。

 説明書を読みながらシクに指示を出す。

 はっきり丁寧に図ありで立て方が書いてあって初心者の僕にも分かりやすい。

 シクは、僕の言う通りに動いて手伝う。

 初心者とは言え、説明書ありでゴーレムの手伝いもあった為、時間は掛からずに終わった。


 テントの中に入り、荷物を置く。

 だらしなく雑に胡座をかいて座り込む

 そして、タンクトップの襟元の部分を摘んで仰ぐようにパタパタと動かす。

 平原は、山の中よりも暑かった。

 汗をかいて服の一部が肌に張り付いている。


 ……肌に引っ付いてベトベトするぅ


 気温が上がってる感じもするけど、日光が強く当たってるのが余計暑さに拍車をかけている。


「山の方が涼しいんだね。知らなかった」


 山の標高が高いところが寒いとは知っていた。

 けれど、僕の住んでいる場所はそんなに標高は高くないはずだ。

 それなのに、ここまでの温度差を感じるとは思いもしなかった。


「森が近くにあったのも大きい」

「森かぁ。森入ったら涼しくなる?」

「背の高い木々が多ければ日が隠れるからな。比較的涼しくはなる」

「なるほど、この平原はいつ抜ける?」


 この気温がきつい訳ではない。もう少し気温が高くても全然活動は出来る。

 ただ汗をかく。

そのせいで、身体がベトベトするのが嫌。

 早く平原を抜けて森に入りたい。


 水で軽く濡らしたタオルを、タンクトップの内側に差し入れて汗を拭う。

 ひんやりとした水の感覚が、汗を取りながら感じる暑さを和らげる。

 そして、全身の汗を軽く拭き取った。特に汗が溜まりやすい場所は痒くなるからしっかりと。


「明日はまだ平原の予定だ。しかし、その後はすぐに入れる距離だ」

「なら今日明日の辛抱かぁ」

「早く寝て早朝に向かうぞ」

「シクもタオル使う?」

「不要、気にしなくて良い」

「了解、寝る前に色々支度や準備を……あっ、外は開けてるし人居るか」

「どうした?」

「いや、ちょっとね」


 周囲に冒険者が居るので、音などで迷惑がかかってしまうから、テントの中で支度を済ませた。

 寝具を軽く被せて眠る準備をする。

 ゴーレムに見張りの命令を下して待機させる。

 テント内も暑く寝苦しく感じる。

 僕はほぼ無意識に服を捲りずらして暑さから逃れようとする。

 そうして暑さと格闘していると、いつの間にか眠りについていた。


 気づいた時には翌朝を迎えていた。

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