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第10話 材料探し

 食事を終える。

 魚1匹で、想定よりも腹が満たされた。

 服の様子を見ると、乾いていた。

 焚き火のおかげで、予定より早く乾いたようだ。

 温まった身体が冷えないように乾いた服を着て、明日やることを考える。


 現状、食住は最低限得られた。

 贅沢を言えば物足りない、特に住の方は雨風をしのいで寝られる程度。

 布団も明かりもない。

 現代技術を総動員した布団やら冷凍食品、電気などの様々な現代社会の生活に慣れきっていた僕では、満足は難しい。


 ……食事に関しては不満はない。果実の保管は木の箱でできる。調味料などは人里行かないと無理だし、他に必要なもの、寝る時だとしたら布団は寒くないから今はいらない


 考えるが、何も出ない。

 僕は、サバイバル経験はない。

 緊急時に必要なものは、これとこれ! といった感じに、必要な道具は思いつかない。

 むしろ、僕は現代人らしくそういったものとは、かけ離れた生活をしていたのだ。

 日常的に使っていたもの、スマホやエアコン、風呂などは、現状材料も知識も足りないから作れない。

 そもそも作れたとしても、電気がないから使えない。


 ……明かり欲しいけど能力の炎で我慢かな。電球は無理、ランタンとかロウソクに関しては材料がない……材料も問題か


 今、物体操作で使える材料は限られている。木、木の葉っぱ、草類、土。

 これは、材料探しも必要のようだ。

 手元にある材料が多ければ多いほど、思いついた時に即実行が可能になる。

 思いついても、その材料の入手の目処が立たなければ、意味が無く無駄になってしまう。


 ……次は遠出する準備を整えようかな。想定は数日活動分の準備かな


 遠出しても数日程度、問題なく活動ができる準備があれば、問題が発生してもある程度対応ができる。

 夜深くなり小屋に入り、土のゴーレムの足を枕にして眠りにつく。


 朝になり、目を覚ます。

 欠伸をして小屋を出る。

 ボーとしながら水場で顔を洗って、木の箱から果実を取り出して食べる。

 食べ終えてから、昨日決めた今日やることを行う。

 行うといっても、遠出に必要な物で作れるものがあれば作る程度の話。


「遠出に必要なのは……食料と水、食料は森の中なら果実が取れるからその場で回収でもいいけど木の箱持っていこうかな。木の箱はゴーレムに運ばせるか」


 物を持たせて運ぶことができるのは、家を作る際に既に確認済み。

 僕が持ったら、片手がふさがるからしたくない。

 とりあえず、これで食料は運べる。


 ……問題は水か。水の運び方は袋や水筒……木だと染み込んで長時間運ぶのは難しそう


 水が運べなければ、長時間活動は厳しい。生物にとって水の枯渇は危険。

 だから遠出するなら、前提として水を運ぶ方法を見つけないと行けない。

 この付近にあるもので、それが可能になるものがあればいいけれど。

 僕は、周囲を見渡す。

 詳しく見ていれば材料として何か良い物が、見つかるかもしれない。


 ……うーん、特になさそう


 水場を中心に森の中を探索する。

 なんでもいいと木々、雑草まで詳しく見ていく。

 しかし、特に見つからず、小屋まで戻る。

 小屋に戻り、ふと崖を見た。


 ……そういえば……崖の上はまだ見てない。登れたら何かあるかも?


 崖に近づいて見上げる。

 目算では何メートルかは分からない。けれど、かなり高いことが分かる。

 人間時代なら、どうにもならない。


 ……数メートル、いや十数メートルはある? 目算難しい。よじ登るのは無理かな


 掴むところはあまりなさそうで、ロッククライミングは難しそう。

 僕は身体強化を使い、地を蹴り飛び上がった。

 4、5メートル程度は飛び上がるが、全然崖上には届かなかった。

 手を伸ばしても届かない距離。

 この身体は身体能力が高いから行けると考えたけど、無理だった。

 過信したか、甘く見ていた。


「ジャンプした時の高さの倍くらいはあるかな。これは無理だ。諦めよう」


 それから森の中を探索して、良い材料になるものを探し続けたが、一向に見つからない。

 探している範囲が狭いからだろうか、知識不足も相まって望みのものを見つけ出せない。


 こんなことになるなら、サバイバル関連の知識を入れておけばよかったと後悔をする。

 知識はあれば絶対役に立っていたし、もっとスムーズに進めていた。

 もっとも僕が今遭遇している出来事は、想定などできる次元の話ではないけれど。

 準備ができるまで遠出は無理と判断して、水場の付近で生活をする。


 毎日一度水に潜り、魚を取りに行く。

 そのまま特にこれと言った進展がないまま、小屋付近での生活が続く。

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