信二と七之助
信二は重い口を開いた。
「そういえばアニキ。俺たちの母さんも来月75歳の終了年齢になるんだ。母さんも強制的に安楽死の施設に行く事になってしまう。何とか法の抜け穴ないかな?衛の両親のようにさせたくない」
七之助は電話の向こうで深いため息をついた。
「信二、その気持ちはよくわかる。俺も家族を守りたい。でも、この法律は厳格で、抜け穴を見つけるのは非常に難しいんだ。」
信二は焦燥感を隠せなかった。
「それでも、何か方法があるはずだ。母さんを救うために、何でもするよ。」
七之助はしばらく黙った後、静かに言った。「一つだけ、まだ試していない方法がある。だけど、それは非常にリスキーだし、成功する保証もない。」
「何でもいい、教えてくれ。アニキ、俺にできることは全部やるから。」
「分かった。まず、弁護士に相談してみよう。俺が知っている信頼できる弁護士がいる。彼なら、もしかしたら何か方法を見つけてくれるかもしれない。」
「ありがとう、アニキ。すぐにその弁護士に連絡を取るよ。」
「気をつけて、信二。俺もできる限りのことをするから、一緒に頑張ろう。」
電話を切った後、信二は深呼吸をして決意を新たにした。母を守るため、彼は全力を尽くす覚悟だった。