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総理大臣の溜め息と国民の反応

 鈴木総理は深い溜息をつき、「我々は、国全体の福祉を考えた結果、このような決定を下しました。ですが、もちろん例外や特別な状況も考慮し、慎重に対処していく予定です。」


 その言葉を聞いても、後藤信二の心の中の苛立ちは収まらなかった。彼はリモコンを握り締め、テレビを消した。現実の重みが胸にのしかかり、何か行動を起こさなければならないという思いが強くなっていった。 


 後藤信二の友人である高橋衛たかはし まもるの父親と母親が、ついに終了年齢の75歳を迎えてしまった。その知らせを聞いた後藤はショックを受け、すぐに高橋に連絡を取ることにした。


「高橋、聞いたよ。お父さんとお母さんが...」


電話の向こうからは、沈んだ声で高橋が応えた。「うん、そうなんだ。もうどうしようもないよ。法律だからって、納得できるわけじゃないけど...」


後藤は何かできることはないかと考えたが、この法律に対して個人ができることはほとんどないという現実が重くのしかかった。


「何か手伝えることがあれば言ってくれ。俺にできることがあれば、何でもするから。」


高橋は感謝の言葉を口にしながらも、その心の中には深い悲しみと無力感が広がっていた。彼の両親は、政府が設置した安楽死施設へ行く準備を進めるしかなかった。


後藤は自分自身の家族のことも考えずにはいられなかった。彼の両親もいつかこの法律に従わなければならない日が来るかもしれない。国民全体がこの新しい現実に直面し、不安と恐怖が広がっていた。


鈴木曽利男総理大臣の記者会見は続いていたが、後藤の頭の中では友人の家族のことと、自分自身の将来のことが渦巻いていた。彼はこの状況に対して何か行動を起こすべきなのか、それともただ受け入れるべきなのか、答えが見えないままでいた。


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