表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/92

8話 脳内カーニバル

 実はマーガレットは、エレナとアークのことを前々から知っていた。

 仲の良い王子と婚約者は、よく新聞記事にも取り上げられて、遠くの領地にまで知れ渡っていた憧れの2人だった。


 マーガレットにも婚約者がいるのだが、10歳歳上の相手で、最近あまり会いにも来てくれない。

 だから、2人の新聞の絵姿がとてもうらやましく、憧れていて、もう何年も2人の推し活をしていた。

 新聞記事は、切り抜いてその辺に飾ったり、丁重に保管したり、2人が近くまで視察に訪れたと聞いたら、急いで駆けつけ遠くから見ていたり。

 とにかく2人を推すことに没頭していたのだ。


 その2人が自分と同い年で、魔法学園に入ると聞いたものだから、マーガレットは魔力量が多いことをそれまでずっと面倒で隠していたのを、試験でここぞとばかりに発揮して、この最上位のクラスに入ることができた。


 たくさんクラスがある中で、王子ならきっと最上位クラスに入るはず。エレナはどうなるかわからなかったが、王子と同じクラスに居れば、必ずエレナは王子に会いに来るだろうと思い、試験で思い切り力を出し切った。


 これでもかというくらいに出し切ったせいで、事故は起きそうになるわ、力尽きて倒れて運ばれてしまうわで、もうダメかと思ったが、入学式の時に張り出されていたクラス発表を見た時は飛び上がって喜んだ。


 しかも、自分が最上位クラスに入れただけではなく、王子はもちろんのこと、同じクラスにエレナもいたのだから、もう喜びで気を失いそうになる程だった。


(推しのカップルを目の前で毎日見れるなんて!)


 と喜びの悲鳴を上げていたら、


なんと!ナント!


(隣の席がエレナ様だなんて!)


 マーガレットは鼻血が出そうになるのをなんとか堪えながら、勇気を振り絞って、ついに声をかけたのだった。


 だから、お友達になってと頼まれた上に、敬語もなし、名前も呼び捨てでいいと言われ、マーガレットの脳内でカーニバルが発生したのは仕方のないことだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ