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003

 自らを六賢者のひとりと名乗った男ジゼが部屋から出ていくのと同時に扉が開いた。

 ショートカットで金色の髪の女の子。

 その女の子とアキラの目が合う。


「ぎゃぁぁぁぁあ!!」

突然女の子が叫んだ。


 まるで変質者を見つけたかのような反応の女の子にアキラがたじろいでいると、女の子が駆け寄ってきてアキラに抱きついた。


「フレア様、よかった、目を覚ましたのですね。フレア様がこのまま目を覚まさないのではないかと、私、心配で心配で・・・」

女の子は泣きじゃくっている。


「この子はアンジェリカ。この子が幼い頃に身寄りの居なかったこの子を俺の父が引き取ったんだ。それから、兄妹のように一緒に育ってきた。今はここで使用人として働いてくれている。俺の事を心配してくれていたのだろう。とりあえず頭を撫でて落ち着かせてやってくれ」

フレアにそう言われたので、アキラはアンジェリカの頭を優しく撫でた。


 アンジェリカはフレアが目覚めたことをみんなに報告しにいくといって、駆け足で部屋を出ていった。


「それにしても、さっきのジゼとかいう男、何者だったんだ?六賢者のひとりとか言ってたけど。時間戻しの魔法が使われたのって2000年以上前の話ですよね?そんな2000年も生きる人間がこの世界にはいるんですか?」

アキラはフレアに問いかける。


「いや、1番の長寿と言われている種族、巨人族でも500年くらいだと認識している。2000年も生きるなど聞いた事がない」


「結局、謎だらけのままジゼもどっか行っちゃったしこれから一体どうすれば」

アキラが頭を抱えていると


「あのジゼという男は必ずまた現れる。わざわざ説明をするためだけに俺達に接触をしてきたとは思えん。おそらく、なにか別の目的があるばすだ」

フレアはこんな状況でも冷静だ。


「アキラ。こんな状況になってしまって現在解決策も全くわからん。キミにはとりあえずフレアとして行動してもらう」


「えぇ〜、行動してもらうって言われたって」


「大丈夫だ、俺がサポートする。普通に生活するだけだ。それにさっきのアンジェリカの様子だと彼女には俺の姿は見えていないようだった。これは好都合だ」


 アキラはフレアに促されるままに、着替えを済ませて部屋を出た。ちょうど、そのタイミングでアンジェリカと共に屋敷にいた別の使用人達が部屋の前に来ていた。


「おぉ〜坊っちゃま。目が覚めたようでよかった。アンジェリカが屋敷中を叫び回っておりました」

年齢は60歳くらいだろうか?口髭を蓄えて後ろに髪を束ねたジェントルマン風のおじさん。

「この人はアルバート。使用人で一番の古株だ」フレアが教えてくれた。


「ありがとう、アルバート。すっかり良くなった」

アキラはフレアに言われた通りの言葉を発する。アルバートとアンジェリカの他に若い男性と女性の使用人が1人ずついる。


「それで、目覚めて早々にお出かけに?」

アルバートが言った。


「あぁ、3日も寝込んでたから、きっと職場の連中も心配しているだろう。目覚めた事の報告をしに行ってくる」


「あまり無理をなさらないように。それでは馬車の準備をさせますので、少々お待ちを」

アンジェリカはそう言って、スタスタとかけていった。


 馬車の用意ができるまで、食堂で軽食をとることになった。


「フレアさん。部屋の内装から見てかなり大きい屋敷だと思ってたけど、予想以上にデカいですね」

アキラはフレアにヒソヒソ声で喋りかける。


「そうか?部屋数は小さい倉庫等も合わせると50室はあるので大きいのかもしれんな」


 食後のコーヒーを飲んでいると、馬車の用意ができたと報告があったので、屋敷の外へ向かう。


 屋敷の外観は圧巻で王族が住んでるのではないかと思うほどの大きさ。こんな大きな屋敷ゲームの中でしか見たことないとアキラは思った。


 馬車に乗り込み、フレアの職場へと向かう。


「ところでフレアさんって一体どんな仕事をしてるんですか?」


「ん?俺の仕事は王国最強と言われている近衛騎士団だ」

 フレアはさらっととんでもない事を口にした。





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