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002

 ローブの男が言った事をアキラは理解できなかった。

「偽りの世界?」

 アキラはいくら考えてもわからないと思いとりあえずローブの男の話を聞くことにした。


「今から約2000年前。世界の全ての国を巻き込んだ大戦が起こった。その大戦は1年以上続いたのだが、ある事がきっかけで大戦は7日以内に終わることになった」


「そんな話は誰だって知ってる。神獣歴の始まりの話だ」

 フレアが言った。


 神獣暦?アキラの頭の中はクエスチョンでいっぱいだったが質問するのはやめた。


「そうだ、神獣暦の始まり。その大戦を終わらせたのは突如現れた4体の神獣。神獣は7日の間にこの世界のほとんどの人類を滅ぼした。全ての種族を合わせても生き残ったのは、わずか1,000人ほど。神獣はその後、姿を消した」


 世界大戦?神獣?生き残ったのがたったの1,000人?そんな歴史の話聞いたことない。

 アキラはさらに頭の中が混乱した。


「生き残った1,000人が戦をやめ新たな世界を作ろうと決起した年から始まった。神獣によって滅ぼされた事を戒めとして、人々は神獣歴と名付けた」


「しかし、その神獣暦の始まりをよく思わない者たちがいた。魔法を中心とした文明を築いていた国アルカディアの軍を率いて六けんじゃと呼ばれる者たち。六賢者は禁断の魔法により大戦の起こる前の世界まで時間を遡り、大戦が起こるのを止めることによって世界を守るという決断をした。そして、六賢者は大戦が起こる前に時間を遡り大戦を阻止して世界が滅ぶの防いだ。神獣も現れなかった」


「時間を遡って神獣が現れるのを防いだのなら、この神獣歴は一体どう説明する?」

 フレアが言った。


「時間を遡ったと言ったが、世界の全ての時間が戻ったわけではない。六賢者だけが時空を超えて大戦前に戻ったにすぎない。つまり、この時に神獣によって滅ぼされた世界と神獣に滅ぼされなかった世界の2つの世界が出来上がったというわけだ。そして、その神獣に滅ぼされなかった世界、それがアキラ君の居た世界だ」


話のスケールがでかすぎてアキラは何も言えなくなっていた。まるで、おとぎ話だ。


「世界が2つになったことはわかった。それと今の俺とアキラの状況はどう説明できる?」

 フレアはアキラが言いたかった事を代弁してくれた。


「この数年の間に、2つの世界が少しずつだが交わり始めている。向こうの世界のものがこちらはへ干渉したり、逆もまた然り。つまり、その現象によってアキラ君の魂だけがこっちの世界に来てしまって、魂をフレアの体に入り込んだというわけだ」

 ローブの男はそう説明したが、理屈はわかった、わかったけどもそんな話信じられるわけない。しかし、実際に起こっているのは確かだ。


「ん?足音が近づいて来る。おそらく女性だ」

 ローブの男がそう言うが、アキラやフレアには聞こえない


「すまんが、キミたち以外との接触は避けたい。一旦失礼するよ」

 ローブの男はそう言うとすり抜けて入ってきた壁の方へ向きを変えた。


「待ってくれ。あなたは一体何者なんだ?」

 フレアがローブの男に問いかける。


「私の名はジゼ。偽りの世界を作り出した六賢者の1人さ」

 そう言い残し、ローブの男ことジゼは壁へと消えていった。


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