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バキュラ  作者: 松宮 奏
一章
16/18

剣士

 ルキアは一行は火を放った村に足を踏み入れていた。

 

 昨晩まで確かにあった小さくはあるが確かな生活感はすっかりと消え失せていた。民家や主要な建物は全て灰になっている。

 ルキアは黒く焦げ、木片となった元民家の一部を指差す。


「これも燃やしてしまえ」


 へい。と返事がしてルキア隊の一人の兵士が火矢を放った。


「ルキアさん、これ人間ですよね?」


 木片を蹴散らし、金目の物が無いか漁っていたトンズラが何かを指差している。

 トンズラが指差していたのは真っ黒焦げになった人骨だった。正確には案山子だが。

 

 ミルキは上手くやったのだな。


 ルキアは安堵する。真っ黒焦げになった案山子をパッと見ただけでは人骨か案山子かの判断は普通は出来ないが、ミルキ達は予め木材に燃えても消えない蛍光塗料を案山子の足の部分に小さく塗っており、ルキアはそれを見て案山子と判断していた。


 ルキアの部下達は本物の人間の焼死体だと信じて、疑っている様子はない。


「トンズラ。それもだ。全て燃やし尽くせ」

「死体を燃やせなんて。ぶっ飛んだ悪魔だな」


 トンズラの顔は言葉とは裏腹に恍惚としている。


 ルキア一行が、アルファ村を更地になるまで燃やし尽くした頃には、すっかり夜が空けていた。

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