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剣士
「あとは頼んだぞ」
ルキアの説得に応じた村人に、荷造りをするよう指示し、ルキアとミルキの二人も、主に腰の曲がった老人達の荷造りを手伝った。
ひと段落つき空も茜に色付き始めた頃。ミルキはルキアに声をかける。
「あとは任せてください。しかし流石ルキアさん。すっかり村人の心を掴んでしまいましたね」
「誇れたことではないさ。結局、俺一人では誰も救えないのだから」
「そんなことはないですよ。おっと、そろそろ時間ですね。くれぐれも、慎重に。無理はせず」
「分かっている。ありがとう」
ルキアは気に括り付けていた馬の手綱をほどき馬に跨ると、王都への帰路を急いだ。