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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと春のきせつ
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小助くんとおそろしい犬たちとのたたかい

 おそろしい犬は、うつぶせになっている小助をするどいきばでかみつこうとします。小助は、どうもうな犬が目の前にせまる中でもそばにおちている太いえだに手をのばしてとろうとしています。


「ぐ、ぐぐぐぐっ……」

「グヘヘヘヘヘ! おれたちのなわばりにふみこむやつは、みんなこうなるのさ」


 小助は、こわい犬のぶきみなわらい声をよそに太いえだを右手でにぎりしめました。はを食いしばりながら、小助はその太いえだをおそろしい犬のきばが生えた口にくわえさせようとしています。


「えいっ!」

「うぐっ! うぐぐっ! うぐぐぐぐぐっ!」


 太いえだをおそろしい犬の口にはさむと、小助はすかさずおき上がって目の先にある木にのぼりました。


「くそっ! こしゃくなことをしやがって!」


 おそろしい犬たちは、2ひきがかりで小助がのぼっている木のそばへやってきました。今にも食いちぎってやろうとばかりに、2ひきの犬は大きな口をあけてするどいきばを見せています。


「うんしょ! うんしょ!」


 小助は木にのぼっているとちゅうで、大きなえだが分かれているところへ手をのばしました。そのえだは強くてじょうぶなので、小助がりょう手でにぎりながらぶら下がってもびくともしません。


 下のほうでは、おそろしい犬たちが小助をねらおうとまちかまえています。


「そうやってのがれようたって、そうはいかないぞ」

「おれたちがどんなこうげきをするのか、思い知らせてやるぜ!」


 2ひきのおそろしい犬は、高いところにぶら下がっている小助に向かってとび上がりました。するどい目つきの犬たちは、小助におそいかかってかみつこうと大きな口をあけています。


 それを見計らうように、小助は大きなえだにぶらさがって大の字になると同時に元気な音を鳴りひびかせています。


「えいっ! プウウウッ! プウウウウウッ! プウウウウウウウウウウウッ!」

「うっ! く、くさい……」

「このチビめ……」


 小助は、自分に向かってとび上がったおそろしい犬たちへでっかいおならを3回もつづけてめいちゅうさせました。元気いっぱいのおならをするのは、小助がいつも大きなイモをたくさん食べているおかげです。


「このままですむとは思うなよ……」


 おそろしい犬たちは、小助のすさまじいおならにその場からさりました。小助はにぎった手を大きなえだからはなすと、そのままじめんにちゃくちしました。


 こわがりだった子犬も、小助のところへやってきては右足にしがみつきました。子犬は、小助がおそろしい犬たちとたたかったときのようすをじっとながめていました。


「小助くん、でっかいおならでやっつけたんだね!」

「てへへ、おならいっぱい出ちゃった」


 小助はかわいいえがおを見せながらも、自分がおならこうげきをしているところを子犬に見られて顔を赤らめています。

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