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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと春のきせつ
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はじめての田うえ

 小助は、お母さんと2人で田うえをするために田んぼへ向かって歩いています。はじめての田うえとあって、小助は早くもまちきれないようすです。


「田うえ! 田うえ!」

「小助くんにも田うえさせてあげるから、ちょっとの間まっててね」


 お母さんが田んぼの中へ入ると、きものにくくりつけた竹かごからなえを出しながら手でうえていきます。そのようすをじっと見ている小助は、自分もいっしょに田うえがしたくなりました。


「かあちゃ、ぼくもちたい(ぼくもしたい)! ぼくもちたい!」

「しょうがないわね。なえをあげるから、小助くんもしてごらん」


 小助はお母さんからなえを手にしましたが、田んぼに入るとぬかるみに足をとられてその場でしりもちをついてしまいました。


「あらあら、どろんこでよごれちゃったね」

「どろんこ! どろんこ!」


 どんなにどろんこになっても、小助は気にするそぶりを見せません。小助は、小さい手で田んぼになえをすこしずつうえています。


「小助くん、なえをうえるの上手だね」

「田うえちたい! ちたい!」

「それじゃあ、もうちょっと手つだってもらおうかな」


 小助は、お母さんのやさしいことばにうれしそうなえがおを見せています。お母さんは、手つだいをしたがっている小助のかわいいすがたにほほえんでいます。


「田うえ、たのちい(楽しい)! たのちい!」


 すこしずつ田うえをおこなう小助のようすを見ながら、お母さんのほうもなえを田んぼの中へつぎつぎとうえようといっしょうけんめいになっています。


「うんちょ(うんちょ)! うんちょ!」

「ふふふ、田うえをするのが楽しいみたいだね」


 小助は、かわいい声を出しながら楽しそうに田うえをつづけています。そのようすに、お母さんもほほえましそうに見つめています。


「今日はここまでにしようかな」

「まだちたい(したい)! まだちたい!」

「田うえのお手つだいは、明日もあるから」

「あちたも(明日も)?」

「そうよ、明日もあるから今日はもうおわりにしようね」

「うん!」


 田うえをするばしょは、まだたくさんあります。小助は、田んぼでも田うえをするのが楽しくてたまらないようすです。


「どろんこでいっぱいよごれたから、池へ行ってよごれをあらいながそうね」

「かあちゃ、お池であちょぼう(あそぼう)! あちょぼう!」

「小助くん、そんなにいそがなくても……」


 小助は、近くにある池へ入っていろんなことであそぼうとお母さんよりも先にかけ足で向かっています。

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