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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと春のきせつ
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大男の山べえといっしょにおとまり(その4)

 夜になってすっかりとくらくなったどうくつでは、小助と山べえがぐっすりとねむっています。いびきをかいてねている山べえのとなりには、はらがけ1まいの小助がかわいい顔つきでゆめの中へ入っています。


 すやすやとねむっている小助は、まるでゆめの中で楽しくあそんでいるようなねがおを見せています。




 そのころ、小助はゆめの中で山べえといっしょにぼうけんをしています。山べえは、小助をかた車にしながら前へ向かってあるいています。


「ねえねえ! ねえねえ!」

「小助、どうしたんだ」


 小助はもじもじしながら、森の中をすすむ山べえにかわいい声をかけています。


「お、おちっこ(おしっこ)……」

「まだまだ森がずっとつづくのに、こんなところで……」


 山べえは、おしっこがしたくなった小助のようすにとまどっています。小助がかた車をしているままでおもらしすると、たいへんなことになってしまいます。


「おちっこ! おちっこ!」

「しょうがないなあ。そこに大きな木があるからここでしておいで」


 森のとちゅうで、山べえは小助を下ろそうとしゃがみました。小助は、はらがけの下をあさえながらいそぎ足でかけ出して行きます。


 そんな時、目の前の大きな木から屋にやらおじいちゃんらしき声が聞こえてきました。


「そこのぼうや、ここでおしっこをしたらダメだぞ。ここでおしっこをしたら……」


 その声に気づいた小助ですが、早くおしっこをしようと大きな木のそばでジタバタしています。


「おちっこ、おちっこ……。ジョパジョパジョパ、ジョジョジョジョジョジョ~ッ」


 小助は、大きな木のねっこに向かっておしっこをしはじめました。おしっこを出しつづけるうちに、小助はしだいにすっきりした顔つきにかわりました。


 すると、小助の目の前に広がる森のけしきがしだいにきえていきました。




「小助、もう朝になったぞ」


 小助は、自分の耳に入ってきた山べえの声に気づくとすぐに目をさましました。すると、そこには山べえのすがたがありました。


 山べえは、小助のねているおふとんのほうをじっと見ています。


「あ~あ、おねしょしちゃったのか」

「てへへ、おねちょ(おねしょ)! おねちょ!」


 小助はこの日の朝も、小さい子どもらしくでっかいおねしょをおふとんにやってしまいました。それでも、小助は顔を赤らめながらもぐっしょりしたおねしょぶとんを前にえがおでいっぱいです。


「まったく、しょうがないなあ」


 山べえは、小助がおとまりしてやってしまったおねしょのふとんを近くにある木の太いえだにほしています。そんな中にあっても、小助はどうくつから出るとたきつぼの池に向かってかけ出しています。


「いっちょにあちょぼう(いっしょにあそぼう)! いっちょにあちょぼう!」

「すぐ行くから、ちょっとまってくれよな」


 小助は池の中へとびこむと、おねしょでぬれたはらがけをつけたままであらいながしています。山べえは、あいかわらず元気いっぱいの小助のすがたにタジタジです。

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