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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと春のきせつ
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大男の山べえといっしょにおとまり(その2)

 小助は山べえの畑へ行くと、さっそくたねイモをうえはじめました。イモが大きくそだつのを楽しみにしながら、小助はつぎつぎとたねイモを畑の中へうえています。


「小助はイモを食べるのが大すきなんだな」

「おイモ! おイモ! 大ちゅき(大すき)!」


 山べえは、いつも元気な小助のすがたを見ながらかんしんしています。そんな小助は、山べえにあることをおねだりしています。


「ねえねえ、だっこ! だっこ!」

「はっはっは、おれにだっこされたいのか。それなら、こっちへおいで」


 小助は山べえのうでにだかれると、キャッキャッとうれしそうにわらっています。山べえのほうも、小さい男の子のほっぺたがかわいくてたまらないようすです。


「こんどは、たかいたかいしようか」

「早くちよう(しよう)! 早く! 早く!」


 山べえは小助をよろこばせようと、りょう手で自分の顔の手前までもち上げています。すると、小助は山べえの目の前でうれしそうに手足をバタバタさせています。


「キャッキャッ、キャッキャッ」

「それなら、もう1回やろうかな。たか~い! たか~い!」


 小助のかわいいえがおを見ようと、山べえはふたたびりょう手でつかんでもち上げることにしました。そして、山べえの顔に小助を近づけたその時のことです。


「ジョパジョパジョジョジョジョ~ッ、ジョジョジョジョ~ッ……」

「わっ! わわわっ!」


 山べえの顔にめいちゅうしているのは、小助の元気いっぱいのおしっこです。その間も、小助はかわいいえがおを見せながらおしっこをつづけています。


「た、たのむからおしっこをしないで……。わわわっ!」

「ジョジョジョジョジョジョジョ~ッ」


 小助はおしっこをするのをおえると、キャッキャッとわらい声を上げながらよろこんでいます。それに引きかえ、山べえのほうはたきつぼの水で自分の顔をあらっています。


「まったく、小助の元気さには本当にまいってしまうぜ」

「ねえねえ、いっちょにあちょぼう(いっしょにあそぼう)!」


 山べえにしがみつく小助は、あそぶ時もあいてのことをおかまいなしです。そんな時、空のほうからポツポツと雨つぶがおちてきました。


「雨がふってきたぞ。早くどうくつへ入らないと……」


 うすぐらい雲からふり出した雨は、しだいに強くなってきました。山べえは、小助をつれてどうくつへもどろうとします。


「いや! ここにいたい! ここにいたい!」

「こんなところにいたら、かぜをひくぞ」

「いやいや! ここであちょびたい(あそびたい)!」


 だだをこねる小助のすがたに、山べえもいっしょにつき合うことにしました。小助は、さっそく水たまりの中に入ってジャブジャブしています。


「わ~い! 水たまり! 水たまり!」


 小助は、水たまりで大はしゃぎしながらあそんでいます。ジャブジャブさせたり、パシャパシャさせたりと、小助は雨がふりつづく中でも音を楽しんでいます。


「やれやれ、小助はどんな時でもあそびを思いつくんだから」


 山べえは、雨の中でも小助が楽しそうにあそんでいるすがたをじっと見つめています。

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