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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんの雪あそび
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冬のたきと大きな池

 雪がふりつづく森の中では、この日もオオカミたちがむれをなしてあつまっています。オオカミたちは、お母さんオオカミのおっぱいをのんでいる小助のすがたをじっと見つめています。


「おっぱいをいっぱいのんでいるけど、おしっこのほうは大じょうぶかな?」


 お父さんオオカミのしんぱいをよそに、小助はオオカミのお母さんのおっぱいをのみつづけています。


「ふふふ、いっぱいのんだね」

「うん! おいちかった!」


 小助は、やさしく声をかけるお母さんオオカミに元気な声でへんじしました。おっぱいをたくさんのんでいるおかげで、小助はいつも元気であそぶことができます。


「さっそく、おすもうごっこがはじまったな」

「ぼうやは、おすもうをするのが大すきだからなあ」


 小助は、ちびっこオオカミとおすもうごっこをしはじめました。かわいい子どもたちは、雪の上で大すきなおすもうでじゃれ合っています。


 元気でにぎやかな声を上げる小助たちですが、同じところであそんでばかりなのでたいくつになってきました。すると、小助はあのばしょへ行こうと雪におおわれた草むらへ向かってかけ出しました。


「あっ! ぼうや、そっちへ行ったら……」


 お母さんオオカミが声をかけても、小助は草むらにつもった雪の上を自分の足ですすんで行きます。これを見たオオカミのむれは、小助のようすを見ようと後をついていくことにしました。


「いつも元気なのはいいけど、もしぼうやに何かがあったら……」


 オオカミたちは、雪の上にくっきりとついた小助の足あとを見ながらいっせいにすすむことにしました。


 そのころ、一足先に森から出た小助は、すっかりこおりついた川のそばにそって歩きつづけています。足が雪の中にはまっても、小助は目てきのばしょに向かおうとずんずんすすんで行きます。


「よいしょ! よいしょ!」


 小助が歩いていく向こうには、こおりついてつららのようになっている大きなたきがあります。暑い夏の時とはちがうたきのすがたを見ようと、小助はたきつぼの大きな池のそばへやってきました。


「わあ~っ! こおりだ! こおりだ!」


 大きなたきやたきつぼがこおっているのを見て、小助は雪の上をとびはねながらえがおではしゃいでいます。そのようすは、後ろからやってきたオオカミたちの目にもうつりました。


「あのぼうや、よっぽどここにくるのがうれしいんだね」

「あつい夏には、たきの高いところから大きなたきつぼの池へ向かってとびこんだりするし」


 オオカミたちは、いつも元気な小助を遠くからやさしい目つきで見つめています。そんな小助は、こおった池のそばにいる女の子がいることに気づきました。


「ねえねえ、どうちたの(どうしたの)?」


 小助が声をかけると、なぞの女の子が小さい男の子のかわいい声を聞いてふり向きました。そこにいたのは、小助よりも少し大きいかわいい女の子です。


「はらがけのぼうや、かわいいね。どうしてここにきたの?」

「あちょびたい(あそびたい)! あちょびたい!」

「いっしょにあそびたいのね。じゃあ、こっちへおいで」


 小助は、女の子が向かうところがどこなのか楽しみにしながらついて行くことにしました。

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