小助くんとキツネの親子
いつものように森の中へやってきた小助は、たくさんつもった雪を見ると大よろこびですすんで行きます。
「わあ～い！ 雪だ！ 雪だ！」
とちゅうでつまずいて雪の上にうもれても、小助はいつもえがおで元気いっぱいです。雪がふかい森のおくへ向かうと、木のまわりでかわいいキツネが何びきもいるようすを目にしました。
小助がそこへ近づいていくと、そのキツネたちは森の中でタヌキといっしょにいるキツネとはちがうようです。どうやら、子ギツネがお母さんギツネにあまえようとしているようです。
「ねえねえ、何ちているの（しているの）？」
「あら、人間のぼうやだね。どうしてここへきたの？」
小助のかわいい声に、キツネのお母さんはやさしい声で言葉をかえしました。子ギツネたちは、お母さんギツネのそばからはなれようとしません。
「さあ、こっちへおいで」
「おっぱい！ おっぱい！」
キツネの子どもたちは、さっそくお母さんギツネのおっぱいをのみはじめました。小助の目の先には、おいしそうにおっぱいをのんでいる子ギツネたちのすがたがあります。
「かあちゃ！ おっぱい！ おっぱい！」
「ふふふ、ぼうやものみたいのね」
子ギツネたちがおっぱいをのみおえると、小助はお母さんギツネのおっぱいをのもうとあお向けになりました。おっぱいをのみはじめた小助のかわいい顔つきに、お母さんギツネもやさしく見まもっています。
小助がいつも元気いっぱいなのは、どうぶつのおっぱいをたくさんのんでいるおかげです。雪の上でねころびながら、小助はキツネのお母さんのおっぱいをのみつづけています。
「ぼうや、いっぱいのんだね。おいしかったかな？」
「うん！」
キツネの親子は、さむい冬であっても小助と同じようにまったくへいきです。小助は、キツネになりきろうと雪の上に手をおいて４本足になりました。
「ぼうや、どうしたの？」
「キツネ！ キツネ！」
「ぼうや、キツネになりたいんだね」
「うん！ うん！」
お母さんギツネは、自分からキツネになりたがっている小助をやさしい目で見つめています。小助も、キツネのお母さんにあまえたくてそばからはなれようとしません。
そんな時、子ギツネたちが小助に声をかけてきました。
「ぼうやもいっしょにあそぼうよ」
「うん！ あちょぼう（あそぼう）！ あちょぼう！」
小助は、雪の中で子ギツネたちとじゃれ合うようにあそんでいます。雪の上でゴロゴロと転がる小助たちのようすに、お母さんギツネも遠くから笑顔で見つめています。
「雪の中でも、みんな元気にあそんでいるね」
雪がふる中でも、すっかりなかよくなった小助と子ギツネたちは元気な声でキャッキャッとうれしそうにはしゃいでいます。
