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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと森のなかまたち
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お母さんグマとお母さんオオカミへのおねだり

 森の中に入った小助が楽しみにしているのは、どうぶつたちといっしょにあそぶことです。この日も、小助はクマやオオカミの子どもたちとかけっこをしているところです。


 小さい体で走る小助は、子グマやちびっこオオカミをぶっちぎるほどのはやさです。


「わ~い! わ~い! わ~い!」

「あんなにはやかったらおいつけないよ」


 どうぶつたちは小助がはしゃぐようすを見ながら、人間の赤ちゃんのはやい走りにすっかりまいっています。そんな時、小助は自分にはなくてどうぶつについているあるものを見ています。


「わあ~っ! しっぽ! しっぽ! しっぽ!」


 クマやオオカミは、小助が同じことばをくりかえすのをふしぎそうに見ています。なぜなら、ここにいるけものたちは当たり前のようにしっぽがついているからです。


 そんな小助に、お母さんグマがやさしくはなしかけてきました。


「ふふふ、ぼうやのおしりにしっぽがなくてもぜんぜん気にしていないよ」


 小助のおしりには、しっぽらしきものはついていません。でも、小助にはほかのどうぶつにはない『小』と書かれたみどり色のはらがけをいつもつけています。


「だって、はらがけをつけたぼうやはとってもかわいいんだもの」


 お母さんグマのえがおに、そばへやってきた小助もキャッキャッとうれしそうです。子グマたちのほうもそばへやってくると、小助といっしょにいつものおねだりをしようとします。


「おっぱい! おっぱい! おっぱい!」

「ふふふ、しょうがないね。おっぱいをあげるからこっちへおいで」


 こうして、小助と2ひきの子グマはお母さんグマのおっぱいをおいしそうにのんでいます。おっぱいを飲んでいる小助たちのすがたに、お母さんグマはあたたかい気もちで見つめています。


 そのころ、お母さんオオカミのほうではちびっこオオカミ3びきがおっぱいをのんでいるところです。おっぱいをのんでいる子どもたちのうれしそうなすがたは、クマもオオカミも同じです。


 そして、ちびっこオオカミがおっぱいをのみおえるのと入れかわるように、小助がお母さんオオカミのそばへやってきました。小助はお母さんオオカミの前であおむけになると、お母さんグマと同じようにおねだりをしています。


「あらあら、おっぱいをほしがっているみたいだね」


 お母さんオオカミは、小助にもおっぱいをあたえることにしました。小助は、あおむけになったままでお母さんオオカミのおっぱいをいっぱいのんでいます。


「いっぱいのんでいるみたいだね。でも、クマのおっぱいもたくさんのんでいるし、おしっこのほうは大じょうぶかしら」


 おっぱいをのみおわった小助を見て、お母さんオオカミはすこししんぱいそうです。すると、小助は地べたでねころんだままでくるしそうな顔つきを見せています。


「ジョパジョパジョパ、ジョパジョパジョジョジョジョジョジョ~ッ」

「あらあら、やっぱりおしっこがしたかったのね」


 小助はあんよを上げながら、おしっこを上にむかっていきおいよくとび出しました。しかし、小助のくるしいようすはまだかわりません。


「うううんっ! うううんっ! うううううう~んっ!」


 しばらくすると、あおむけになった小助はいつものようにキャッキャッとわらい声を上げています。地べたを見ると、そこには小助のでっかいうんこがあります。


「ふふふ、ぼうやはいつもかわいくてげんきなんだから」


 小助は、クマとオオカミのおっぱいをたくさんのんだおかげでおしっこもうんこもげんきいっぱいです。そばで見ているお母さんグマとお母さんオオカミは、かわいい男の子の赤ちゃんのえがおをやさしく見つめています。

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