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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと秋の大自ぜん
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何でも食べて元気なうんこ

「お~い! おいしいのができたから、こっちへおいで」

「わあ~っ! ごはん! ごはん!」


 小助たちは、大男の声につられるようにほらあなの中へ入っていきました。そこにならんでいるのは、大男が作ってくれたれんこんとにんじんが入ったおかずです。


 そのおかずを口に入れると、小助はそのおいしさに思わず元気いっぱいの声を上げました。


「これ、おいちい(おいしい)! おいちい!」


 小助は、はじめて食べたれんこんのおいしさにうれしそうな顔つきで大男を見つめています。ほかのどうぶつたちも、れんこんをつぎつぎと口に入れていきます。


「れんこん、ほちい(ほしい)! ほちい!」

「そんなにおいしいのか、それならもうすこしあげようかな」


 こうして、小助はれんこんを食べるのがすっかり気に入るようになりました。みんながおかずを食べおわると、大男は小助が大すきなものを出しました。


「おいしいやきイモもできたぞ」

「わ~い! やきイモ! やきイモ!」


 大男は、みんなにやきイモを手わたしで1本ずつあたえています。小助は、自分が手にしたでっかいやきイモをさっそく口にほおばりました。


「やきイモ、おいちい! おいちい!」


 みんながおいしそうに食べるようすに、大男はしゃがみながらえがおで子どもたちを見つめています。


「そうそう、チビの名前を聞くのをわすれていたなあ。おれは山べえという名前だ。そこのチビ、名前は?」

「小助! 小助! 小助!」

「分かった、分かった、何回も言わなくても分かったから!」


 小助の元気で大きな声に、さすがの山べえもタジタジです。けれども、小助の元気さはこれにとどまりません。


 山べえは、さっきまでえがおを見せていた小助の顔つきがくるしそうになっていることに気づきました。


「小助、どうしたんだ?」

「う、う、うんこ……」


 小助はおしりをおさえながらかけ足でほらあなから出ると、その場であおむけになりました。山べえとほかのどうぶつたちは、小助のようすを見ようとまわりにあつまりました。


 すると、小助は赤ちゃんみたいにあんよを上げました。そのかっこうで、小助はうんこをしようとふんばっています。


「うんっ! ううううううううううう~んっ!」


 おなかに力をいれてふんばりおえると、こんどは元気いっぱいのおしっこが上に向かってとび出しました。


「ジョパジョパッ、ジョジョジョジョジョジョジョジョ~ッ」

「赤ちゃんみたいに元気なうんこやおしっこをするとは、本当にすごいなあ!」


 山べえは、手のひらよりも大きいはっぱで小助のおしりをふいています。小助のそばにあるのは、さっき出たばかりのでっかいうんこがあります。


「わあっ! 小助くんのでっかいうんこだ」

「うんこ、いっぱい出た! いっぱい出た!」

「これだけでっかいのが出たことだし、イモ畑のこやしとしてたがやすことができるぞ」


 いつも通りの明るいえがおを見せる小助のすがたに、体つきの大きい山べえも思わずまけてしまいそうです。

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