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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと秋の大自ぜん
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やさしい大男はやさいの先生

 ほらあなの近くにある小さなたきでは、小助たちがながれおちる水をあびながら大はしゃぎしています。


「わ~い! わ~い!」

「わあ~っ! つめたい!」


 どろんこだらけの小助たちのすがたは、みるみるうちにきれいになりました。大男も、水あびをしている子どもたちのようすをそばで見つめています。


「ようやくきれいになったなあ」


 小助は、きれいになった体で大男にへばりつくとかわいい声で何か言いだそうとしています。


「ねえねえ! ねえねえ!」

「どうしたんだい」

「何かちたい(したい)! 何かちたい!」


 大男は、かわいい声でおねだりする小助を近くの畑へつれて行くことにしました。畑へ行くと、小助はあまりのうれしさにピョンピョンとびはねています。


「おイモ! おイモ!」


 小助はさっそく手をつかってほっていくと、大きなイモを何本もとり出すことができました。大男のそばで、小助はりょう手でもったとれたてのイモを見せています。


「そんなにイモが大すきなのかな?」

「うん! 大ちゅき(大すき)!」


 大男は、大はしゃぎする小助のすがたをじっと見ながら何か言おうとしています。


「ここにはいろんなやさいをうえているから、今からおれがやっているのをよく見ておくんだぞ」


 小助は、大男が畑からほり出すのをそばで見ています。ほかのどうぶつたちも、畑のまわりにつぎつぎとやってきました。


「おれがほり出したのをよく見てごらん」

「わあ~っ! にんじん! だいこん!」

「これがにんじんとだいこんだ。分かるかな?」


 小助もどうぶつたちも、大男がもっているやさいがどういうものか見ています。大男は、小助たちに食べものの大切さをやさしい目つきで教えています。


「それじゃあ、ここでとれるやさいは何かな?」


 大男がゆびをさしたそのばしょは、畑のとなりにあるどろんこ色の池です。小助は、その池に足を入れてみました。


「わ~い! わ~い! どろんこ! どろんこ!」

「おいおい! そんなことしたらまたどろんこだらけに……」


 大男がさけび声を上げても、小助はどろんこ池に入るのをやめようとしません。そこは、小助の足元が水につかるくらいでそんなにふかくありません。


 小助は、わいわいとはしゃぎ声を出しながらどろんこだらけになっています。これを見たほかのどうぶつたちもつぎつぎと池へ入っていきます。


「あそぶのもいいけど、この池にはこういうやさいがあるぞ」


 大男は、どろんこ池から何かを引きぬくように取り出すと子どもたちの前へやってきました。小助たちは、大男がもっているのをじっとながめています。


「このやさいはどういう名前かな?」

「う~ん……」

「これはれんこんというやさいだよ」


 どろんこだらけの小助は、れんこんがどんなものか食べてみたくなりました。


「れんこん! れんこん! 食べたい! 食べたい!」

「そうかそうか、それならおれが今から作ってあげるから」


 大男は、小助たちのためにれんこんをつかっておかずを作っています。小助たちは、それまでの間に小さいたきで上からながれおちる水をあびています。

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