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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと秋の大自ぜん
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どうぶつたちといっしょにどろんこあそび

 小助は、しゃがみこんだ大男のそばにへばりつきました。そのすがたに、大男は小助の頭をやさしくさすっています。


「どうだ! ここからさらにおくへ行きたいか」

「うん!」


 大男は、小助をりょう手でだきかかえるとさらに山おくのほうへ歩き出しました。これからどこへ行くのか、小助は今から楽しみでたまりません。


 これを見たどうぶつたちも、大男の後ろからついて行くことにしました。子グマたちは、おくへ向かって行くにつれてしんぱいになってきました。


「このまますすんでも大じょうぶ?」

「大じょうぶかなあ……」


 草むらがずっとしげっている中をしばらくすすむと、ほらあならしきものがおくのほうから見えてきました。


「おっと、ここからはぬかるみになっているから気をつけないといけないなあ」


 大男が足をふみ入れたところは、どろんこでぬかるんでいるところです。そんな時、小助は大男にげんきな声でさけんでいます。


「どろんこであちょぼう(あそぼう)! あちょぼう!」

「おいおい、ぬかるみに入ったらどろだらけになるぞ」

「あちょぼう! あちょぼう!」


 あまりのおねだりに、大男はぬかるみの上に小助を下ろすことにしました。小助は、どろんこあそびができるとあって大よろこびです。


「どろんこ! どろんこ!」


 体じゅうがどろんこだらけになっても、小助はキャッキャッとうれしそうにあそんでいます。小助は、ほかのどうぶつたちにもいっしょにあそぼうと大きな声でよんでいます。


「いっちょにあちょぼう! いっちょにあちょぼう!」


 どうぶつたちは、小助がいるぬかるみの中へつぎつぎととびこんでいきました。子グマたちは、小助といっしょにどろんこずもうをしながらじゃれあっています。


「どろんこでおちゅもう(おすもう)! おちゅもう!」

「ま、まけるものか……。う、うわわっ!」


 小助は、自分と同じように子グマたちがどろんこになったのをよろこんでいます。その後も、小助と子グマたちはどろんこあそびをつづけています。


 そのそばへやってきたのは、きものをきている小さな男の子2人です。子どもたちのすがたを見た小助は、ぬかるみの上を歩きながらそばへ近づきました。


「ねえねえ! どろんこあちょび(あそび)! どろんこあちょび!」

「わっ! こっちへきたら……」


 子どもたち2人は、いきなりとびついてきた小助に思わずどろんこのぬかるみにたおれこみました。その場でけむりにつつまれた男の子2人の正体は、小助たちといっしょにやってきたキツネとタヌキです。


「あ~あ、せっかくばけたのに」


 キツネとタヌキは小助をおどろかそうとばけたつもりでしたが、けっきょくはもとのすがたにもどってしまいました。


「わあ~っ! みんなどろんこ! どろんこ!」

「わっはっは! わっはっは!」


 小助たちは、どろんこまみれになったすがたを見ながらみんなで大わらいしています。そのわらい声に、大男はしゃがんで子どもたちのようすをじっと見ています。


「おっ! そんなにどろんこになるのが楽しいか」

「たのちい(楽しい)! たのちい!」

「はっはっは! どろんこまみれになるのもいいけど、そろそろ体をあらわないといけないぞ」


 どろんこだらけの小助たちは、よごれた体をきれいにするために大男の後ろについて行くことにしました。

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