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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと秋の大自ぜん
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おっぱいのんで元気なおしっこ

 小助は、いつもどおりにお母さんのそばでおねだりをしています。


「かあちゃ! おっぱい! おっぱい!」

「ふふふ、しょうがないわね」


 おっぱいをのみはじめた小助のすがたに、お母さんはやさしく見つめています。小助にとって、大すきなお母さんのおっぱいをのむことをかかすことはありません。


 小助はおっぱいをのみおえると、すぐに森に向かってかけ出しました。今日も、森の中でどうぶつたちとあそぶのが楽しみです。


 子グマたちと出会うと、さっそくじゃれ合うようにおすもうあそびをはじめました。


「うんしょ! うんしょ!」

「わっ、わわわっ!」


 あいかわらずの小助の強さに、子グマたちは思わずしりもちをつくように後ろへたおれてしまいました。それでも、子グマたちは小助とおすもうを取ろうとすぐにおき上がりました。


 その後も、小助と子グマたちは森の中でじゃれ合っています。かわいい子どもたちがあそぶすがたに、お母さんグマもやさしく見つめています。


「みんな! こっちへおいで!」


 お母さんグマのよぶ声に、小助と子グマたちはすぐにそばへよってきました。子どもたちは、お母さんグマの顔を見ながらいつものおねだりをしようと元気な声を上げました。


「おっぱい! おっぱい! おっぱい!」

「あらあら、みんなおっぱいがのみたいのかな?」

「うん!」


 小助たちは、お母さんグマのおっぱいをたくさんのみつづけています。お母さんグマは、小助と子グマたちのようすを見ながらほほえんでいます。


「いっぱいのんで、元気な子にそだってほしいわ」


 おっぱいをいっぱいのんだ小助は、子グマたちといっしょに森のおくへ向かって走り出しました。お母さんグマも、小助たちのようすを見ようとその後をおうことにしました。


「どこへ行くの?」

「こっち! こっち!」


 かわいい子どもたちがすすんでいると、おくのほうから白いけむりらしきものが見えてきました。小助たちが気になって草むらをかき分けていくと、木のねっこのほうから火がもえているのを目にしました。


「お、おちっこ(おしっこ)……」


 小助は、はらがけの下をおさえながら木のそばへ近づきました。りょう足をバタバタさせながら、小助はもえている火に向かっておしっこをいきおいよくとばしました。


「ジョパジョパジョパッ、ジョパジョパジョジョジョジョジョ~ッ」


 子グマたちも、小助がいるところへきてはおしっこを木のねっこにしはじめました。すると、小助たちの元気いっぱいのおしっこはみるみるうちに火をけすことができました。


 後ろにいるお母さんグマは、小助たちが火をけしているようすをやさしい目つきでながめています。


「ふふふ、おっぱいをたくさんのんだおかげでこんなにいっぱいおしっこが出たね」

「てへへ、おちっこ(おしっこ)出ちゃった」


 山火事にならなくてすんだのは、小助と子グマたちがいきおいよく出たおしっこのおかげです。小助は、お母さんグマのやさしいことばに顔を赤らめながらもいつも通りのえがおを見せています。

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