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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと秋の大自ぜん
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小助くんとお母さんのきのこさがし

 小助は、お母さんといっしょに森の中をおくへ向かって歩いています。せなかにかごをかついでいる小助は、いつもどおりの元気な声を上げています。


「かあちゃ! きのこ! きのこ!」

「そんなにあわてなくても大じょうぶだから」


 大きな木のそばへきた小助が見つけたのは、おいしそうに見えるきのこです。でも、お母さんはそのきのこを見ながら首をかしげています。


「このきのこは食べたらダメ!」

「どうちて(どうして)! どうちて!」

「これはどくきのこだから、ぜったいに食べたらいけないよ」


 お母さんは、そのきのこがどくきのこであることにすぐ気づきました。どくきのこを食べてしまうとしんでしまうかもしれません。


「こっちへおいで」


 小助は、ほかの大きな木へ行こうとするお母さんの後をついていきます。お母さんが見つけたのは、さっきのきのことはべつのきのこです。


「小助くん、このきのこは食べても大じょうぶだよ」


 お母さんは、小助に食べていいきのこと食べてはいけないどくきのこを教えています。これを聞いた小助は、となりにある木のそばにあるきのこを見つけました。


「これいい? これいい?」

「どれどれ、これは食べてもいいきのこだよ」

「わあ~っ! きのこ! きのこ!」


 小助は、自分で見つけたきのこを手に取るとすぐにかごの中へ入れています。お母さんのほうも、おいしいきのこをつぎつぎと取っていきます。


「ねえねえ、これは大じょうぶ?」

「これはどくきのこだからダメだよ」


 お母さんは、小助が取ろうとするきのこを食べても大じょうぶかどうかたしかめています。こうするおかげで、自分たちで取ったきのこをしんぱいすることなく食べることができます。


「ぼくたちもいいかな?」


 小助たちのまわりにやってきたのは、子グマたちとリスです。いつも森の中であそぶ友だちのすがたに、小助はうれしそうに足をピョンピョンとびはねています。


「どくきのこには気をつけてね」

「母ちゃんから教えてもらったから大じょうぶだよ」


 子グマたちは、さっそく自分たちで食べるためのきのこを手に取っています。小助は、子グマが取っているきのこをじっと見ています。


「ねえねえ、これは?」

「う~ん……。これはどくきのこではないけど、食べることもできないわ」

「どうして? どうして?」


 同じことばをくりかえす小助に、お母さんはつぎのように答えました。


「これは、きものに色をつけてそめるのにつかうものだよ。小助くんも、大きくなってきものをきるようになったら分かるわ」


 小助は、きのこのことがもっと知りたくなりました。


「ねえねえ、もっとおちえて(教えて)!」

「ふふふ、きのこのことをもっと教えてあげるからね。子グマもリスもこっちへおいで」

「うん!」


 お母さんは、小助たちにやさしいことばをかけながらきのこの取り方を教えています。森の中では、小さい子どもたちのにぎやかな声が空に向かってひびきわたっています。

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