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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと秋の大自ぜん
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子グマたちと食べるやきイモはおいしいよ

 いよいよ、小助たちがくらす山おくにも秋がやってきました。


「かあちゃ! おイモ! おイモ!」

「ふふふ、小助くんはイモほりするのが楽しみだものね」


 小助は、お母さんといっしょにイモほりをしようとはたけにきています。はたけには、数多くのイモづるがずらりとならんでいます。


「うんしょ! うんしょ!」


 いっしょうけんめいにほり出そうとする小助のすがたに、お母さんもやさしく見まもっています。


「わあ~っ! おイモだ! おイモだ!」

「小助くん、大きいイモだね!」


 小助がほり出したのは、イモづるに5本もついている大きなイモです。大すきなイモを見ながら、小助はうれしそうにピョンピョンとびはねています。


 この後も、小助とお母さんは畑の中からりょう手でイモをほり出そうとしています。イモがつぎつぎとほり出すたびに、小助はえがおを見せながらよろこんでいます。


「これだけ取れたことだし、今日はこのくらいにしようかな」


 お母さんがイモを入れるためのかごをもってくると、小助はほり出したイモを1つずつ入れていきます。


 そんな時、聞きおぼえのある声が小助の耳に入ってきました。小助がふり向くと、畑のそばにクマの親子がきていることに気づきました。


「こっち! こっち!」


 小助は、お母さんグマと子グマたちに大きなイモを見せようと元気な声を出しながらよんでいます。その声につられるように、子グマたちは小助のいるところへ向かってかけ出しました。


「わあっ! 大きなイモだ」

「おイモ! おイモ! おイモ!」


 子グマたちは、小助たちがほり出したイモを見ながらはしゃいでいます。小助はかごに入れたイモを出すと、お母さんにかわいい声で何かをおねだりしています。


「かあちゃ! やきイモ! やきイモ!」

「それじゃあ、子グマたちの分も合わせてやこうかな」

「わ~い! わ~い!」


 小助と子グマたちは、お母さんが作ってくれる大すきなやきイモを今から楽しみにしています。お母さんは、子どもたちのようすを見ながら大きなイモをやいています。


「おいしいやきイモができたよ。まだあついから気をつけてね」

「やきイモ! やきイモ! おいしいなあ」


 小助は、さっそくそのやきイモを口にほおばるように食べ始めました。2ひきの子グマたちも、やきイモをおいしそうに口に入れて食べています。


「かあちゃ! おいちい(おいしい)!」

「おいしいよ!」「もう1つ食べてもいいかな?」

「ふふふ、今日取れたばかりだからとってもおいしいよ」


 小助と子グマたちが楽しそうに食べていると、お母さんグマが家の前でまっています。


「そろそろばんごはんをさがしに行こうかな」


 子グマたちはやきイモを食べおわると、すぐにお母さんグマのそばへかけよりました。


「ねえねえ、帰るの?」

「ぼうや、ごめんね。またいっしょにつれてあそびにくるからね」


 ちょっとさびしそうな小助ですが、子グマたちとは森の中へ行けばまた会うことができます。


「あちたもあちょぼ(明日も遊ぼ)! あちょぼ!」

「小助くん、またね!」


 小助が手をふると、子グマたちもまた会うのを楽しみにしながら森のほうへ入って行きました。

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