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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんは夏も元気いっぱい
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クマの親子とおとまり(その4)

 森の中では、今日も小助たちがおねだりしようと声を上げています。


「おっぱい! おっぱい!」

「しょうがないわね。さあ、こっちにおいで」


 小助と子グマたちはお母さんグマにしがみつくと、すぐにおっぱいをのみ始めました。かわいい小助たちのすがたに、お母さんグマはいつもとおりのえがおを見せています。


 お母さんグマのおっぱいをいっぱいのんだ小助は、子グマたちとじゃれ合ったり、おすもうをしたりしながらあそんでいます。


 そんな時、お母さんグマは森のおくから白いけむりとともに火の手が上がっていることに気づきました。


「みんな! 早くここからにげて! にげて!」


 クマのお母さんは、かわいい子どもたちを守ろうと大きな声でさけんでいます。しかし、その声は小助にも子グマたちにも聞こえていません。


 森からもえ上がった火は、小助たちの近くにまでせまってきました。すぐに立ち上がった小助は、はらがけの下を右手でおさえながら火がもえ上がるところへ行こうとします。


「ぼうや! そっちへ行ったらダメ!」


 さけび声を上げるお母さんグマですが、子グマのほうも手をおさえるように小助のそばへやってきました。


 はげしくもえるほのおを前に、小助は元気いっぱいのおしっこをいきおいよくめいちゅうさせようとします。


「ジョパジョパジョパジョパ、ジョパジョパジョジョジョジョジョジョ~ッ」


 小助がおしっこしているのを見て、子グマたちのほうも火に向かってつぎつぎとおしっこをし始めました。小さくてかわいい子どもたちのおしっこがめいちゅうしつづけたおかげで、もえひろがっていたほのおがしだいに小さくなってきました。




 そんな時、小助はクマのお母さんのすがたが目に入っていることに気づきました。


「ぼうや、おはよう」

「う、う~ん……。かあちゃ、おはよう」


 お母さんグマは、目をさました小助にやさしいことばでつたえようと口をあけました。


「ふふふ、おふとんにおねしょしちゃったね」

「かあちゃ、おねちょちちゃった(おねしょしちゃった)」


 小助のおふとんをよく見ると、そこにはでっかくて元気いっぱいのおねしょがえがかれています。となりでねていた子グマたちも、しきものの上にみごとなおねしょをやってしまったようです。


 ほらあなから出ると、お母さんグマは近くの大きな木の長くて太いえだにおふとんやしきものをほしています。


「おねしょ、ちゅごい(すごい)! ちゅごい!」

「ぼうやのおねしょは、いつもこんなにでっかいのかな?」

「てへへ」


 小助たちは、お母さんグマのそばへやってきて自分たちのおねしょを見ています。この日のおねしょも、小助のほうが子グマ2ひきとくらべて大きいものとなっています。


 おねしょしても元気いっぱいも小助のえがおに、クマの親子も思わずわらい声を上げています。こうして、森の中ではみんなのわらい声がいつまでもひびきわたっています。

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