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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんは夏も元気いっぱい
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クマの親子とおとまり(その3)

 クマたちがくらすほらあなの前では、小助がおちていた木をもってきて何かをしようとしています。


「ぼうや、何をしているのかな?」


 お母さんグマが子グマといっしょに見ているのは、小助が少し太いえだをじめんにおいた木の上におしつけながらこするように回しています。


「えいっえいっ! えいっ!」


 しばらくこすりつづけると、木のほうから白いけむりが出てきました。やがて、下においている木のほうから火がもえ上がりました。


「わあ~っ! 火だ! 火だ!」


 小助が行っていたのは、お魚をやくための火おこしです。いくつもおちています。もえている木の上に木のえだやはっぱをいくつもおいていくと、さらに火のいきおいが大きくなってきました。


 火のそばには、細いえだにさした魚がまわりにおいています。お魚をやいている音を聞きながら、小助たちはばんごはんができるのをまっています。


 いよいよ、楽しみにしていたばんごはんの時間です。


「それじゃあ、みんなでお魚を食べようかな」


 お母さんグマは、やき上がったばかりのお魚を小助と子グマたちに手わたしました。小助は、自分で火おこしをしてやいたイワナを口にほおばりました。


「ぼうや、おいしいかな?」

「おいちい(おいしい)! おいちい! おいちい!」


 小助は、自分で取ったおさかなのおいしさに思わず元気な声を上げました。そのすがたに、お母さんグマもやさしいえがおをうかべています。


 子グマたちも、たき火でやいたお魚を口に入れてはおいしそうに食べています。ばんごはんを食べるかわいい子どもたちのわらい声は、森の中にひびきわたっています。


 そんな時、小助ははらがけの下をおさえてバタバタしながらたき火のそばへきました。


「ジョパジョパジョパ、ジョパジョパジョジョジョジョジョジョ~ッ」


 小助は、目の前にあるたき火に向かっておしっこがいきおいよく出つづけています。おしっこがいっぱい出たおかげで、たき火はいつの間にかきえることになりました。


「ぼうや、おしっこがいっぱい出たね」

「てへへ、いっぱい出ちゃった」


 お母さんグマのそばへやってきた小助は、子グマたちといっしょにいつものおねだりをしようとしています。


「かあちゃ! おっぱい! おっぱい!」

「ふふふ、みんなしょうがないわね」


 小助は、子グマたちといっしょにお母さんグマのおっぱいをのんでいます。お母さんグマは、かわいい子どもたちのようすをやさしい目つきで見つめています。


「日がくれてくらくなったし、そろそろねようかな」


 太ようがしずんで、空のほうもしだいにくらくなってきました。小助たちは、お母さんグマについていきながらほらあなの中へ入りました。


 小助は、家からもってきたおふとんの上であおむけになってねむりの中へ入りました。しきものの上に子グマたちをねかせたお母さんグマは、小助たちのかわいいねがおを見ながらほほえんでいます。


「どんなゆめを見ているのかな」


 クマのお母さんは、子どもたちのねているようすを見るとよこになってぐっすりとねむっています。

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