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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんは夏も元気いっぱい
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クマの親子とおとまり(その2)

 小助は木のぼりをしながら、となりの木をのぼっている子グマたちのようすを見ています。


「うんしょ! うんしょ!」

「小助くん、先に行かないでね」


 子グマたちは、太いえだの上ですわっている小助と同じ高さまでのぼろうとがんばっています。かわいい子どもたちの木のぼりは、まだこれからです。


「よいしょ! よいしょ! よいしょ!」


 小助は、さらに高いところにあるてっぺんに向かってふたたびのぼっていきます。子グマたちのほうも、小助にまけないように手足をつかってのぼりつづけています。


 小さい体でのぼるうちに、小助の目にはいってきたのは大きな木のてっぺんです。そんな時、となりの木にいる子グマたちのなきさけぶ声が耳に入ってきました。


「小助くん、たすけて! たすけて!」

「こわくて下へおりれないよ……。う、う、うえええええ~ん!」


 小助はすぐにとなりの木へとびうつると、子グマたちをたすけようと手足をつかっておりていきます。


「うええええええ~ん! たすけて! たすけて!」


 小助は、なきつづける2ひきの子グマをはげましています。


「大じょうぶだよ! 大じょうぶだよ!」

「本当に大じょうぶなの?」

「うん!」


 クマの子どもたちは、小助についていくように少しずつおりていきます。小助も、子グマたちのがんばるようすを見ながらいっしょにおりようと手足をうごかしています。


「あとちょっと! あとちょっと!」


 こうして、小助たちはお母さんグマのいるところへもどることができました。子グマたちは、お母さんグマにしがみついたままはなれようとしません。


「ねえねえ! ごはん! ごはん!」

「それじゃあ、これから川でお魚を取りにいこうかな」


 お母さんグマは、子どもたちのために草木をかき分けながら川のほうへ向かっていきます。小助と子グマたちも、その後をおうようについていきます。


 川のせせらぎが聞こえると、小助は一気にかけ出して川の中へ入りました。小助は、水中をもぐったり顔を出したりしながらあそんでいます。


「小助くん、いっしょに水あそびしよう!」


 子グマたちのさそいに、小助はすぐにそばへ行こうとします。すると、2ひきの子グマからいきなり水をパシャパシャかけられてしまいました。


「わ~い! わ~い!」

「えいっ! パシャパシャパシャパシャ!」

「わっ! 小助くん、やったな!」


 小助と子グマたちは、川のなかでの水あそびを楽しんでいます。お母さんグマは、そのすがたを見ながら川に入ってごはんさがしを行っています。


 そんなお母さんグマを手つだおうと、小助がそばへやってきました。


「かあちゃ、いっちょにちよう(いっしょにしよう)!」

「ぼうやもいっしょに手つだってくれるの?」

「うん! うん!」


 小助は水中へもぐると、たくさんおよいでいるアユやイワナをつぎつぎと手でつかんでいきます。これだけあれば、今日のばんごはんでしんぱいすることはありません。


「これだけ取ったことだし、そろそろ森の中へもどろうかな」

「ばんごはん! ばんごはん!」


 お母さんグマは、ばんごはんで子グマたちといっしょに食べるお魚をもって自分たちのすみかへ帰るところです。小助たちも、みんなでかこみながらばんごはんを食べるのが楽しみです。

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