表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと森のなかまたち
6/341

森の中の先生

 いつものように森の中へやってきた小助は、よちよち歩きでサルがまっている大きな木へ向かってすすんでいます。


「サルさん! サルさん!」

「小助か、お前がくるのをまっていたぞ」


 サルは、小助にとって木のぼりを教えてくれる先生です。小助は、高いところまでのぼろうと大きな木にしがみつきました。


「よいしょ、よいしょ、よいしょ」


 小助は、手足をつかいながらゆっくりとのぼっていきます。その時、お母さんは近くの木にかくれながら小助のようすを見ています。


「小助くん、あんなに高いところからおちたら……」


 お母さんのしんぱいをよそに、小助は高い木のてっぺんをめざしてのぼりつづけています。ここまで高くのぼることができるのも、サルが小助のためにいつも教えてくれたおかげです。


「よいしょ、よいしょ、よいしょ」

「小助、あと少しだ! がんばれ!」


 サルからのはげましの声をうけて、小助はこのままてっぺんまでのぼろうと上まですすんでいきます。そして、高い木のてっぺんへやってきた小助は大きな声でサルをよんでいます。


「サルさん! サルさん! こっち! こっち!」

「おおっ! 小助、高い木のてっぺんまでのぼったのか」


 サルは、こんなに早く木のぼりをおぼえた小助のすがたにびっくりしています。木のぼりについては、これでサルが教えることはなさそうです。


 でも、小助はサルにまだまだ教えてもらいたいことがいっぱいです。木のぼりをおえてもどってきた小助は、サルにへばりついてはなれようとしません。


「サルさん! サルさん! ねえねえ!」

「そんなに言うなら、べつのことを教えるとするかな」


 サルがことばをかけると、小助はキャッキャッとうれしそうなえがおを見せています。小助がよろこんでいるすがたを見て、サルはさっそく大きな木をゆうゆうとのぼっていきます。


「小助、これから木へとびうつるれんしゅうをするぞ」


 これから行うのは、森の中にある木から木へ手をつかってとびうつるというものです。サルは、いつも行っているとあって手なれたようすでとびうつっています。


 近くの木にいるお母さんは、自分のだいじな子どもがじめんにおちてしまうのがしんぱいでたまりません。


「どうか、小助くんがぶじでありますように……」


 お母さんがいのっている中、小助はサルの後をおうようにつぎの木へとびうつろうとします。空中へういた小助は、目の前にある木の太いえだに右手をかけました。


「おっ! はじめてにしてはじょうずにできているなあ」


 サルは、木から木へとびうつる小助のすがたをやさしく見つめています。けれども、小助はそのとちゅうでむちゅうになるものを見つけてしまいました。


 小助が木の上から見つけたのは、お母さんグマが子グマ2ひきにおっぱいをあたえているところです。これを見たとたん、小助は手足をつかって木からおりるといそぎ足でお母さんグマのそばへかけよりました。


「かあちゃ! おっぱい! おっぱい!」

「ふふふ、こっちへおいで」


 小助は、お母さんグマのおっぱいをいっぱいのみつづけています。お母さんグマは、小助のやさしい顔つきを見ながらやさしく見つめています。


 そのようすを木のうえからながめているのは、小助の先生であるサルです。


「やれやれ、小助はどうぶつのおっぱいをのむのが大すきなんだから」


 木のぼりも木わたりもうまくできるようになった小助ですが、まだ赤ちゃんなのでおっぱいをのむことにむちゅうなのはしかたがありません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ