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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんは夏も元気いっぱい
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大きなたきでのぼうけん(その1)

 小助は、子グマやちびっこオオカミと森の中にある川にそって歩いています。これから向かうのは、小助たちにとってすっかりおなじみになったところです。


 そんな子どもたちの後をついていくクマヤオオカミのお母さんたちは、前にいる小助たちに声をかけています。


「みんな、あんまりあぶないことをしたらダメだよ」


 どうぶつのお母さんにとってしんぱいしているのは、子どもたちが大ケガをすることです。道のとちゅうには岩だらけだったり、たおれた木が行き先をさえぎったりときけんがいっぱいです。


 けれども、小助はこういったところもくじけることなく前へとすすんで行きます。


「こっち! こっち! 早く! 早く!」

「小助くん、ちょっとまってよ~」


 いつも元気いっぱいの小助が先へすすむすがたに、ほかのどうぶつたちもついていこうといっしょうけんめいです。小助の耳に入ってきたのは、水がたくさんながれおちるあの音です。


「わあ~っ! 大きなたき! 大きなたき!」


 大きな池のあるたきが見えると、小助はそこへ向かおうとかけ足で走り出しました。そして、小助はいきおいよく大きな池の中へとびこみました。


「みんな! こっちへきて!」

「あ~っ! 小助くん、池の中へ入ってずるいよ」


 子グマもちびっこオオカミも、池でおよいでいる小助を見てうらやましそうです。そんなどうぶつの子どもたちを見て、小助は池のそばで水あそびをすることにしました。


「キャッキャッ、キャッキャッキャッ」

「わっ! 小助くん、やったな!」


 小助たちは、おたがいに水をかけ合ったりしながらあそんでいます。どんなにあつい夏であっても、ここなら水をかけられるたびに気もちがよさそうです。


「えいっ! パシャパシャパシャ!」

「こっちだって! パシャパシャパシャパシャ!」


 クマとオオカミのお母さんは、水あそびをしている小助たちのようすを近くからながめています。


「ふふふ、あんなにはしゃいじゃって」

「外はとてもあついし、ここなら子どもたちも楽しいからね」


 そうするうちに、水あそびをおえた子グマとちびっこオオカミは池から上がりました。どうぶつの子どもたちが地べたにすわりこむと、池の中にいる小助のすがたをじっと見ています。


「わ~い! みじゅしぶきだ(水しぶきだ)! みじゅしぶきだ!」


 小助は、はげしくながれおちるたきの水しぶきをあびながら大はしゃぎしています。たきの中へ入ったり出たりしながら、小助は気もちよさそうにあそびつづけています。


「キャッキャッ、キャッキャッキャッ」


 池であそんで大よろこびの小助は、大きなたきのそばにある岩のかべを見つけました。その岩を手でさわったりじっと見たりしていると、りょう手をつかって岩のかべをのぼりはじめました。


「よいしょ! よいしょ!」


 岩のかべのいちばん上は、かなり高いところにあります。しかも、自分の手で岩をつかめるところはそんなにありません。


 それでも、小助は上へ向かってすこしずつのぼりつづけています。このようすを池のそばから見ているクマヤオオカミのお母さんは、岩のかべをのぼっている小助のことがしんぱいでたまりません。


「ぼうや! あぶないからのぼるのはやめて!」


 お母さんグマが大きな声でさけんでいますが、その声が小助の耳に入ることはありません。その間も、小助は岩をつかみながらのぼっていきます。

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