小助くんと池のカエルたち
あつい夏のある日、小助はお母さんといっしょに畑で大きくみのったスイカをとっています。
「うんしょ! よいしょ!」
「わあ~っ! 小助くん、でっかいスイカがいっぱいとれたね」
小助とお母さんは、自分たちでとったスイカを家のほうへもっていくことにしました。土間へもってきたスイカは、お母さんの手で切り分けています。
「小助くん、スイカをいっしょに食べようかな」
「わ~い! スイカ! スイカ!」
お母さんが切り分けたスイカを見て、小助は大よろこびです。小助は、さっそくそのスイカを大きな口でかぶりつきました。
「スイカ、おいちい(おいしい)! おいちい!」
「ふふふ、いっしょうけんめいにそだったスイカだもの」
こうして、スイカをおいしそうに食べおわった小助はふたたび外へとび出しました。小助がこれから向かうのは、いつもの森の中とはちがったところです。
田んぼや畑のそばをかけぬけて行くと、すこし大きな池が見えてきました。そこで目にしたのは、ハスのはっぱの上にいるカエルたちです。
「ケロケロ、ケロケロケロッ」
小助は池のそばでしゃがむと、鳴き声をなんども上げるカエルたちのすがたをじっとながめています。すると、小助もカエルのまねごとをしたくなりました。
「ケロケロッ、ケロケロッ」
「ケロケロケロッ、ケロケロケロケロッ」
カエルたちは、自分たちと同じような鳴き声を出している小助を見つめています。そんな小助は、池にいるカエルのことがもっと知りたくなりました。
池の中へ元気よくとびこんだ小助は、カエルたちがいるハスのはっぱへ近づいていきました。すると、カエルたちが小助に声をかけてきました。
「ぼうや、どうしてここへきたの?」
「カエルちゃん、だいちゅき(大すき)! だいちゅき!」
カエルたちは、自分たちのことを大すきと言ってくれてとてもうれしそうです。すると、小助の頭の上のほうに向かってカエルたちがつぎつぎととび上がりました。
「ケロケロッ、ケロケロッ、ケロケロケロッ」
「カエルちゃん、ケロケロケロッ、ケロケロケロッ」
カエルたちは、小助の頭の上で鳴き声を上げています。それに合わせて、小助もいっしょにカエルの鳴き声のまねをしています。
池にいくつもあるハスのはっぱには、カエルたちが上にのっています。小助は、カエルたちといっしょに鳴き声で歌うことにしました。
「ケロケロケロッ、ケロケロケロケロッ」
「ケロケロッ、ケロケロッ、ケロケロケロッ」
カエルたちと小助の歌い声は、池へやってきたお母さんの耳に入ってきました。
「小助くん、カエルさんとすっかりなかよくなったね」
「カエルちゃん、だいちゅき(大すき)! だいちゅき!」
この後も、小助はまわりにいるカエルたちといっしょに元気な鳴き声で歌いつづけています。みんなで歌うその声は、晴れわたる青空のもとでとても楽しそうです。




