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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
小助くんと森のなかまたち
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木のぼりのれんしゅう

 森の中でクマやオオカミといっしょに遊んでからというもの、小助こすけは森へ行くのがいつも楽しみになってきました。


 こわいもの知らずの小助は、今日も森であそぼうとよちよち歩きで進んでいきます。小助は2本足で歩こうとがんばりますが、とちゅうでおしりをついたりしてなかなかうまく歩けません。


 それでも、小助はなかないですぐに立つと少しずつ森のほうへ近づいています。お母さんは、自分の足で歩こうとする小助のようすを後ろから見まもっています。


「こないだまで4本足で歩いていたのが、いつの間にか2本足で歩けるようになるとは」


 森の中へ入っても、小助は歩いているとちゅうでなんども前にころんだりします。それでも、小助は大すきな森の中でぼうけんしようとゆっくり前へすすんでいきます。


 そこへ声をかけてきたのは、リスの兄弟です。小助はすぐにふり向くと、リスの兄弟がいる大きな木を見上げています。


「ねえねえ、ねえねえ」


 人間の赤ちゃんのよび声に、リスたちはすぐ下にいる小助のすがたを見ようとします。小助は自分の思いをつたえようと大きな木にしがみつきました。


 そこから上へのぼろうとする小助ですが、手足を動かしてもなかなかのぼることができません。地面へ後ろからおちた小助は、その場でなき出してしまいました。


 そんな小助をはげまそうと、リスの兄弟が大きな木をかけおりてきました。


「ぼうや、木のぼりができないの?」

「う、うん……」


 リスたちは、小助が木のぼりをしたがっていることを知っています。すると、近くの木へやってきたサルがそのようすを見るとすぐにとびおりました。


 サルは、小助のそばへやってくるとはらがけ1まいのかわいい赤ちゃんのすがたをジロジロと見ています。


「これが人間の赤ちゃんか、はじめて見る顔だなあ」


 小助は、自分の顔をじっと見ているサルのしぐさにキャッキャッとわらっています。赤ちゃんのわらい声に、サルのほうもつられてわらい出しました。


「そうそう、お前の名前は?」

「小助! 小助! 小助!」

「そうかそうか、お前は小助という名前なんだな」


 小助は、大きな声で自分の名前をなんどもしゃべっています。これだけ言えば、リスもサルも小助の名前をすぐにおぼえられそうです。


「小助、もしかしてあの木にのぼりたいのかな?」

「うん!」


 サルのことばにうなずいた小助は、よちよち歩きで大きな木のそばへやってきました。これから行うのは、サルが教える木のぼりのしかたです。


「どうやって木をのぼるのか、よく見てごらん」


 まずは、サルが自分で太いえだのところまでのぼっていきます。いつも木のぼりをしているとあって、こんなことぐらい手なれたものです。


「小助ものぼってごらん」


 小助は大きな木にしがみつくと、サルのいるところまでのぼろうと手足をうごかしていきます。


「よいしょ、よいしょ……。わっ!」


 小助はサルのようにうまくのぼりたいところですが、なかなかうまくいきません。けれども、そんなことにめげることなく木のぼりをつづけます。


「小助、あともうちょっとだ! がんばれ!」

「がんばって! がんばって!」


 サルとリスからのはげましをうけながら、小助は手足をつかいながらうまくのぼろうとしています。


 そして、小助はついに太いえだのところまで自分の力でのぼることができました。大きな木から見まもっていたサルとリスの兄弟もよろこんでいます。


「よくがんばったね」

「これからもっと高いところまでのぼれるようにがんばろうな」

「うん!」


 小助は、もっと高い木にのぼれるようになりたいという気もちでいっぱいです。

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