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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
どうくつたんけんふたたび
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おすもうするのは楽しいよ!

 カッパのちょうろうは、小助のかわいい顔をやさしく見つめています。すると、小助はちょうろうの体にしがみついてきました。


「これこれ、どうしたんじゃ」

「おちゅもうちよう(おすもうしよう)! おちゅもうしよう!」

「はっはっは! 小助くんはそんなにおすもうがしたいのか」


 小助は、大すきなおすもうがしたくてたまらないようすです。ちょうろうは、小助といっしょにおすもうのあいてをしようと土ひょうの上にやってきました。


「かんなわしだが、かつてはよこづなになったこともあるのじゃ。今日はえんりょせずに行くぞ!」


 今のよこづなとかつてのよこづなのおすもうに、ほかのカッパたちはどっちがかつのか見まもっています。土ひょうの上では、ちょうろうと小助がおたがいに見合っています。


「はっけよい! のこった!」


 小助とちょうろうは、あいての体をつかんでおし出そうとがんばっています。しかし、2人ともなかなか土ひょうの外へ出すことはできません。


「うぐぐぐぐっ、うぐぐぐぐぐっ!」

「こんなにちっちゃい体ですさまじい力があるとは……」


 ちょうろうは小さい子どもにまけられないといっしょうけんめいですが、小助のすさまじい力はそれいじょうです。


「よ~いしょ! よ~いしょ! よ~いしょ!」

「うわっ、うわわわわわっ!」


 小助は力いっぱいおしつづけると、そのいきおいでちょうろうは思わず後ろへたおれてしまいました。


「わ~い! おちゅもうでかった(おすもうでかった)!」

「小助くんのすごい力には、わしも本当にまいったなあ」


 カッパのちょうろうは、よこづなである小助の力強さをあらためてかんじました。まわりにいるカッパたちも、土ひょうの上にいる小助のかわいい顔つきを見ながらはくしゅしています。


 そんなちびっこよこづなのすがたに、カッパの子どもたちがつぎつぎと土ひょうの上へやってきました。どうやら、小助とおすもうのけいこをしたがっているようです。


「小助くん、ぼくたちといっしょにおすもうのけいこをしようよ!」

「わ~い! おちゅもうのけいこ! おちゅもうのけいこ!」


 小助は、カッパの子どもたちとぶつかりげいこをすることになりました。カッパの子どもたちは、1人ずつ小助の前に向かい合うとすぐにぶつかっていきました。


「うぐぐぐぐっ……。前へおすことが……」

「よいしょ! よいしょ! よいしょ!」


 いきおいよくぶつかったカッパの子どもたちですが、小助の力強さの前につぎつぎと土ひょうの外へ足が出てしまいました。


 それでも、カッパの子どもたちは小助といっしょにおすもうをすることができたのでうれしそうです。こうして、小助とカッパの子どもたちはすっかり友だちになりました。


「おちゅもうだいちゅき(おすもう大すき)! おちゅもうだいちゅき!」

「ぼくたちも小助くんにまけないようにけいこするから、小助くんもがんばってね!」


 小助は、カッパの子どもたちと1人ずつあくしゅしています。そんなすがたに、ほかのどうぶつたちもかんしんしながら見ています。


「カッパの子どもたちと友だちになるとは、小助もたのもしくなったものだ」


 サルたちからのまなざしをうけるよこづなの小助ですが、そこはまだ2才のちっちゃな男の子です。小助は、土ひょうのそばにいるお母さんカッパにいつものおねだりをしようとします。


「かあちゃ! おっぱい! おっぱい!」

「ふふふ、しょうがないわね」


 お母さんカッパは、土ひょうをおりてそばへやってきた小助をやさしくだきしめています。そして、小助はお母さんカッパのおっぱいをいっぱいのみつづけています。


「よこづななのに、おっぱいをのむのはあいかわらずだなあ」


 お母さんカッパのおっぱいをのむ小助のすがたは、むじゃきでかわいい人間の子どもそのものです。

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