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小助くんの小さなぼうけん  作者: ケンタシノリ
どうくつたんけんふたたび
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カッパたちの大かんげい

 小助たちは、どうぶつたちとともにどうくつの中をさらにすすんでいます。すきとおった音を耳にすると、小助は大はしゃぎでそこへ向かってかけ出しだした。


「小助ったら、カッパに会うのがよっぽど楽しみなんだなあ」


 どうくつのいちばんおくへたどりついた小助は、大きな池を見ながらげんきな声でみんなをよんでいます。


「みんな! 早くきてきて! 大きなカッパ池があるよ!」


 小助にとって、ここはカッパたちに会うことができるところです。みんなといっしょに池のそこへもぐって、カッパたちとおすもうしたことを小助はおぼえています。


 どうぶつたちも、小助の声を聞いてすぐに池のそばへやってきました。小助たちは、カッパ池の中をじっとながめています。


「たしかにここにはカッパがいるけど……」


 とうめいできれいな池の中には、カッパがふかいところをおよいでいるのが見えます。にぎやかな声が聞こえる中、サルはそんなにかんたんに会えるのか首をかしげています。


 そんな時、池からカメのようなのこうらをもったカッパが顔を出してきました。見おぼえのある小さい子どものすがたに、カッパはうれしさをかくすことができません。


「カッパくん! 小助! 小助!」

「やあ! 小助くん、またここで会うことができたね」


 小助は、池にいるカッパに自分がいることを知らせようとピョンピョンとびはねるようによろこんでいます。すると、池の中からカッパたちがつぎつぎとあらわれてきました。


「小助くん、こっちへおいでよ! これからカッパ池のそこへつれていってあげるから」


 カッパにさそわれた小助は、池の中へ入ってカッパのいるところまでおよいでいます。自分からおよいでいくそのようすに、カッパはかんしんしています。


「自分でここまでおよげるようになったのか!」

「うん!」

「それじゃあ、ぼくのせなかをしっかりもってね!」


 小助をのせたカッパは、池の中へ入るとふかいところへ向かってもぐっていきました。やがて池のそこへやってくると、カッパたちが小助をむかえようとならんでいるすがたが見えました。


「おっ! カッパずもうのよこづながやってきたぞ!」


 カッパたちは、自分たちのすみかへやってきた小さいよこづながやってくるといっせいにはくしゅしながら大かんげいしています。はらがけ1まいのかわいい男の子が、おとなカッパやよこづなカッパにかつほどのつよさがあることをカッパたちは知っています。


 後ろからは、同じようにカッパにまたがってここへきたどうぶつたちが小助にはなれないように歩いています。


「ぼうや! こっちを向いて!」


 小助は、カッパたちにいつものえがおを見せながら足をすすめています。しっかりとした足取りで歩くそのすがたは、カッパたちも小助のせいちょうしているようすをこの目でたしかめています。


 すると、小助の先に白いひげを生やしたおじいさんカッパが声をかけてきました。


「おおっ、小助くんか! ここへくるのはぼうやがよこづなになってはじめてだから、みんなもかんげいしているぞ!」


 ここにいるおじいさんカッパは、カッパたちのみんなをまとめるちょうろうです。ちょうろうのやさしい声に、小助はいつもの通りのえがおを見せています。

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